カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「Gina」 4月号

豆腐ドーン&名も無き料理を掲載する、「Gina」のまっとうで等身大な28歳女性の目線

2015/03/29 16:00
「Gina」4月号(ぶんか社)

 創刊1周年を迎えた「Gina」4月号(ぶんか社)、はあちゅうさんの「ウケる女になりたくて」が、今回で最終回のようです。最終回のお題は「お医者さん」ウケ。う~ん、「Gina」ガールはお医者さんにモテたいのかな……。最終回もブレているところはブレないですね。はあちゅうさんのイメージする「Gina」ガールがわかりませんが、好きな連載だったのでネタ違いでカムバックしてくれるとうれしいです! そのほかに、DJあおいさん(Twitter有名人)のインタビューが載っていたから、新連載が始まったりするんでしょうかね!? それともそれとも、「Gina」ガールは、サブカル系男子が好きそうですし、ピース・又吉直樹さんあたりの連載でも……? う~ん、どんな人選&ネタの連載が始まるのか楽しみです!

<トピックス>
◎“カッコイイね!”が褒め言葉
◎Gina MODEL File
◎ウケる女になりたくて

■カッコイイとはワガママ女のことである!? 
 「今、きっと日本で一番カッコイイあの子たちのプライベートな部分をGinaだけで公開しちゃいマス(ハート)」という触れ込みで始まる「Gina MODEL File」。“日本で一番カッコイイ”9人を紹介するようです。いや、そこは触れないでおこう。「きっと」って書いてあるしね! 早速、中身にレッツゴー!

 9人のGinaモデルたち(日本で一番が全員「Gina」に!?)が、それぞれ2ページずつ、「MY BASIC DATE(キホンデータ)」から始まり、「Love&HATE(スキ・キライ)、「my manual(わたしのトリセツ)」などを公開しています。で、このトリセツが、「これがユトリってやつなのか?」と驚愕する内容でした。トップを飾る鈴木えみさんの「急かさないで欲しい。集中しているときは話しかけないで欲しい。起こすときは優しく(ハート)おいしいフルーツを与えるかオイスターバーに行くと喜びマス」から始まり、2番目の大屋夏南さんは「褒められて伸びます。同じ事を何回も言われるのはニガテです……。押しに弱いです。こう見えてもMです(ハート)」と続き、3番目の沙羅マリーさんは「意外と乙女でナイーブなので優しくしてください(ハート)機嫌を損ねたときは、チョコレートを与えてください」などなど……全員分を書きたいけど3人目でもうおなかいっぱいです。とにかく皆さん、人へのお願いごとをいーっぱい書いております。

 これって取扱説明書なの? ただのワガママなんじゃ……。ダレノガレ明美さんが言ってましたが、「編集で弯曲された」ゆえのミスリードであってほしいです! だって、これがカッコイイ女の言うことだったらガッカリすぎませんか? あ、そうそう、海外留学を終えてから何者になったのか、芸能界的に消息不明だったマリエさんも、“日本で一番カッコイイ”9人の中にいましたよ。先月号で姿を見かけなかったから淋しかったですが、やっぱり現職は「Gina」モデルだったんですね。

■とことん等身大目線が好感
 これまで触れたことがない「ジーナ家の回覧板」という、読み物ページをざくっと見てみましょう!「ゆる~いカルチャーページ」と自身で言ってるだけあって、本当にゆるい感じで、字も多くなく写真や絵が多いので読みやすいです。今回は筆者が毎号楽しみにしている2つの企画に注目しました。どちらも背伸び感がまったくなく、リアルで好感度大なのです。

 まず1つ目は、「Gina Girlのイマドキ節約術」という小さな企画。毎号、給与22~23万円くらいの方(今月号は25万円)の支出内訳と自炊写真、節約ポイント写真などが載っています。で、その自炊写真が、まさに「雑誌用に撮りました!!(普段こんなの作ってません)」といった、キラキラ感あふれる料理やセットではまったくなく、ホントに適当なものです(褒めてる)。ちなみに今月号はご飯に味噌汁、サラダと、キムチ(?)と、大皿の炒め物系。そうです、母親が作る、「名も無き料理」的な料理です。ほかの号では、豆腐の写真がどーん! だけでしたし、親近感が湧きます。しかし、そんなところが、繰り返しますが好感度大です。支出内訳も、皆さん、洋服代1.5~3万円、交際費が1~2万くらいの方が多いのですが、そのあたりもすごいリアルですよね。編集での弯曲は……なさそうです!

 そしてそして、もう1つ好きな企画「東京クリエイターめし」。「Gina」では、他雑誌でよくあるグルメ特集をほとんど見かけません。しかしそれでいい。あったとしても指くわえて見るだけだから! 食べログで予算調べて「え……無理!」ってなるだけですから! そんな食ネタを「Gina」では、「時代をリードするクリエイターのみなさんから、28歳女子に似合いそうな飲食店を推薦してもらう」という趣向で展開し、これが毎号、なかなか良いチョイスなんですよ。毎回、掲載店を食べログで予算チェックするんですが(しつこい)、8,000円くらいのお店1軒に、2,000円弱と、5,000円弱で行けるお店3軒の構成が多いですね。もちろん、手頃価格のお店もオシャレでおいしそう。さすが時代をリードしているクリエーター推薦なだけあるわ~!

 今回は、「春は断食とヨガを組み合わせた講習を受けるので、ビーガン(菜食主義)になります」という音楽家(自称ではない)のおしゃれイケメンからの紹介です。ヨガとビーガンのカタカナから匂い立つオシャレ感、そして筆者の身の周りにはいない音楽家……! 身震いするほど世界が違いますが、この方も1軒は少しお高め、2軒目、3軒目は28歳月収22万円女子でも無理ない店を紹介しています。

 こういう、グルメネタでもよくある新オープン店情報や話題の店を紹介するだけでお茶を濁さず、ちゃ~んと「Gina」ガールの懐事情を考えた切り口にしているところが、編集部の読者思いな一面が忍ばれます。「名も無き料理」だって、「Gina」ガールが見たら等身大で安心できる料理。そういうところに、雑誌への信頼感&安心感を覚えるものですよね!

 筆者もまずは「Gina」を参考に、「Gina」ガールの目線を体得すべく、彼女たちに人気の高い業界人との出会いを探しに音楽家推薦の店へ行ってこようかと……「Gina」の心を知るには、まずはそこからですよね!?
(白熊春)

最終更新:2015/03/29 16:00
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