サイゾーウーマンカルチャー漫画レビュー少女たちの自立を描く『娘の家出』 カルチャー 『なんかおもしろいマンガ』あります ~女子マンガ月報~【3月】 少女たちの自立を描く『娘の家出』――“伝統的な家族”の枠外にある家族の感情 2015/03/22 18:00 マンガ『なんかおもしろいマンガ』あります 【雑誌】『脳内ポイズンベリー』完結! 28年続いたあの長寿連載も 左から「Cocohana」(集英社)、「フラワーズ」(小学館) 大型連載の終了が相次いでいます。ちょうど新陳代謝の時期なのかもしれません。 「Cocohana」(集英社)では、先ごろ完結した東村アキコ先生『かくかくしかじか』に続いて、次号5月号で水城せとな先生の『脳内ポイズンベリー』が完結します。水城先生といえば『失恋ショコラティエ』(小学館)も完結して、2月10日に最終巻の9巻が出たばかり。さて、次はどこで描くのでしょうか? その『失恋ショコラティエ』が連載されていた「フラワーズ」(小学館)は、西炯子先生の『姉の結婚』に続いて、人気作の絹田村子先生『さんすくみ』や秋里和国先生『都の昼寝物語』(やや残念な終わり方でした……)が立て続けに終了。主力作品である、さいとうちほ先生『とりかえ・ばや』や田村由美先生の『7SEEDS』、小玉ユキ先生『月影ベイベ』あたりもクライマックス感ありありで、今後がやや心配になってしまうほどです。 驚いたのは「YOU」(集英社)で28年にもわたって連載されてきた深見じゅん先生の『ぽっかぽか』が4月号で終了しました。深見先生は「BE・LOVE」(講談社)で連載していた『SUPER G』も終わったばかりですので、もしかしたらしばらくお休みなさるのかもしれません。 さらに驚いたのは里中満智子先生の『天上の虹』(講談社)が、3月13日発売の描き下ろし単行本(第23巻)で完結。今は亡き「mimi DX」で1983年に連載が開始された作品ですから、足かけ32年での完結。さすがの里中先生であります。 小田真琴(おだ・まこと) 女子マンガ研究家。1977年生まれ。男。片思いしていた女子と共通の話題が欲しかったから……という不純な理由で少女マンガを読み始めるものの、いつの間にやらどっぷりはまって、ついには仕事にしてしまった。自宅の1室に本棚14竿を押しこみ、ほぼマンガ専用の書庫にしている。「SPUR」(集英社)にて「マンガの中の私たち」、「婦人画報」(ハースト婦人画報社)にて「小田真琴の現代コミック考」連載中。 前のページ12 最終更新:2015/08/28 15:18 Amazon 『娘の家出 2 (ヤングジャンプコミックス)』 それぞれの悲しみを否定しない優しさ 関連記事 根拠ない自信と希望的観測の“ドリーマー男”をめぐる、女たちの来し方と行く末宝塚・アイドルへの祝福にあふれる『かげきしょうじょ!』、今こそ読むべき名作の予感『あれよ星屑』『あとかたの街』、本ではなくマンガだから伝わる戦争と愛と人間絶望を投げかける“少女マンガ的”映画『トム・アット・ザ・ファーム』が救うもの「少女」たちの恋心が向かう先は――? 『わたしのマーガレット展』が語る恋愛の“時代” 次の記事 サンリオが女子カルチャーに与えた影響 >