『セカンド・ラブ』で“カッコよさの塊”を演じる亀梨和也が抱える、俳優としての課題
先日、「週刊ポスト」(小学館)から『セカンド・ラブ』(テレビ朝日系)の深田恭子について電話取材を受けた。取材で話をした女性ライターによると、このドラマ枠は子どもが寝静まった後で主婦が見るには最適なドラマ枠らしく、変な言い方だが“夜の昼ドラ”として機能しているらしい。確かに昼よりは夜の11時の方が見やすい時間帯なのだろう。
『セカンド・ラブ』はKAT-TUN・亀梨和也が演じるコンテンポラリーダンサー・平慶(たいら・けい)と、深田恭子が演じる高校教師・西原結唯(にしはら・ゆい)のラブストーリー。慶はドイツのカンパニーから契約を切られ、ダンサーとして才能の壁にぶつかっていた。一方、結唯は、同僚の高柳太郎(生瀬勝久)とは5年前から不倫関係にあり、過保護な母親(麻生祐未)との2人暮らしは閉塞感に包まれていた。そんな慶と結唯が出会ったことで、2人の運命は大きく変化していく……。
脚本は『セカンドバージン』(NHK)の大石静。男女のメロドラマを得意とする大石らしい作品で、第1話で亀梨と深田が演じた濃厚な濡れ場は大きな話題となった。もちろん、濡れ場といっても、ヌードも背中越し、との他愛のないものだが、2人が薄暗いアパートでセックスする過程をじっくり見せることで、ねっとりとしたいやらしさを醸し出すことに成功していた。
おかしいのは、毎話、2人がセックスすることがパターン化し、まるで『水戸黄門』(TBS系)の由美かおるの入浴シーンのようなお約束となっていること。サービスシーンと言ってしまえばそれまでだが、こいつらいつもヤッてるなぁという印象だけが強く残る。また、第3話以降は、結唯の母親・真理子の毒親っぷりと、結唯の不倫相手の高柳先生がサブキャラとは思えない暴走を始めていて、こちらも目が離せない。傷を舐め合うような慶と結唯の関係も、慶が振付師として売れ始めたことで崩れていき、2人の関係はだんだんギクシャクしていく。
そんな渦中でも、とりあえず「やることはやってる」のが男と女のしょうもなさが出ていて実に愛おしい。ご都合主義的な大石静のストーリーテリングに翻弄されるのは実に楽しく、まさに“夜の昼ドラ”といえるコテコテの展開だ。
そのため、思わず爆笑してしまいそうになることの多いドラマだが、演じている俳優はいたって真面目である。中でも亀梨の平慶という役柄への没入ぶりにはハラハラするものがある。