華やかでエロティックな遊郭を舞台に、花魁の愛と悲しみを描く『蝶のみちゆき』
【2月の注目作】短い割に2月も豊作! 『失恋ショコラティエ』はついに完結
左から『失恋ショコラティエ』9(小学館)、『その娘、武蔵』1(講談社)
2月ももう終わってしまいまいたが……。
2月6日に発売された、『千年万年りんごの子』(講談社)の田中相先生の最新作『その娘、武蔵』1(同)は、がらりと変わってバレーボールもの。ひと癖もふた癖もある登場人物がどれも魅力的で、次巻以降の展開がとても楽しみです。
同じく2月6日発売の都陽子先生『地下アイドル、職場の男にバレまして』(祥伝社)も楽しく読めるすてきなアイドルマンガでした。ドSのくせしてちゃんと桐子のことが好きな平野。卑屈なくせしてステージ上ではしっかりアイドルしている桐子。アイドルもの増えてますね。
水城せとな先生の『失恋ショコラティエ』(小学館)は、2月10日発売の9巻を以て遂に完結です。この終わり方には惜しみない拍手を送りたい。サエコさんとの失恋を唯一無二の特権的なものとしたまま終わるには、やはりこの終わり方しかなかったのだと激しく納得いたしました。
やまもり三香先生の『ひるなかの流星』(集英社)も、2月25日発売の12巻で完結しました。いやー、そっちでしたか。そうですか。
ほか、2月19日発売の志村貴子先生『娘の家出』2(集英社)、2月25日発売の勝田文先生『マリーマリーマリー』1(集英社)、おそらく次回のこのコラムでご紹介するであろう、2月23日発売のカレー沢薫先生『やわらかい。 課長起田総司』1(講談社)、2月16日発売の雁須磨子先生『こくごの時間』(秋田書店)などなど、短い割に豊作だった2月でありました。年明け早々大忙しなのです。
小田真琴(おだ・まこと)
女子マンガ研究家。1977年生まれ。男。片思いしていた女子と共通の話題が欲しかったから……という不純な理由で少女マンガを読み始めるものの、いつの間にやらどっぷりはまって、ついには仕事にしてしまった。自宅の1室に本棚14竿を押しこみ、ほぼマンガ専用の書庫にしている。「SPUR」(集英社)にて「マンガの中の私たち」、「婦人画報」(ハースト婦人画報社)にて「小田真琴の現代コミック考」連載中。