カルチャー
【男と結婚】――男が結婚したい理由(全4回)

男は「自分を変えない」女は「年齢を甘く見てる」――男は結婚に何を夢見る【婚活編】

2015/03/15 21:00

――一方、女性の「年収」重視について、男性は自覚的でしょうか?

矢内 自覚はない、といったら嘘になるでしょうけど、だからといって男性が女性の希望条件を下げるかといったら、そんなことはないのが実態ですね。

 どんなに自分の条件が悪くても、男性は年齢の若い女性を求めます。次に、見た目の美しい女性や自分の好みのタイプの女性を、当たり前のように求めます。となると、当然得られる結果も空振りが続くわけです。でも、望む結果を追い求める男性は多いけど、自分を変えようとする男性は極めて少ないように感じます。変わらない今のままの自分で、自分が望む女性を追い求めるのですね。ごく限られた可能性かもしれないけど、ひょっとしたらそういう女性はいるかも、という根拠のない自信というのか、あきらめきれない男性は実に多いのです。

――そうした「年収の低い男性」という、婚活市場において条件面で不利な人は、どう希望条件を変化させていきますか?

矢内 年の近い女性(あるいは年上の女性)で、かつ結婚後も仕事を続けたい、という女性を選ぶことで結婚に近づくことができます。私の男性会員さんで、助産師さんとお見合いをし、成婚につながった方がいらっしゃいます。女性は、結婚後も今の助産師の仕事を続けたいと言っています。彼は優しく誠実で、そんな人柄に相手の女性も心を惹かれたのです。それなどは、この典型的な一例ですね。

――相談所としてのフォローは、どうされてますか?

矢内 年収の低い男性に対しては、人柄の良さ、もっとわかりやすく言うと、その人の魅力のようなもの、会話が楽しいとか、相手の気持ちをしっかりと受け止めてくれるなどにフォーカスすることが多いですね。この人と結婚したら、一緒に楽しく暮らせるだろうな、と思わせる何かでしょうか。そういう魅力をアピールするようには心がけています。

――「年齢」「年収」問題以外に、男性と女性の間に認識のずれを感じることはありますか?

矢内 「女性が仕事を続ける」ことに対する点ですね。男性は、結婚したら女性には「仕事を続けてほしい」「専業主婦になってほしい」「やめても続けても、どちらでもいい」と、さまざまな考えがあります。そこに対する認識が女性と一致していれば問題はないのでしょうけど、異なると、結婚相手への条件として難しいものとなります。そのほかにも、細かいことを挙げればいろいろとあります。「相手の親との同居」対する希望条件など。それらを言いだしたらきりがないし、限りなく対象が狭くなるか、そんな人はいないとなってしまいます。

――そのずれやこだわりを、相談所としてどうフォローされているのでしょうか?

矢内 特に「年齢的な部分」についての認識のずれは、デリケートな部分ですから難しいものがありますね。自分の考えが現実的に見てずれているかどうかは、ご本人が「ずれている」と身をもって気づかない限り、なかなか理解し難い部分です。実際に、希望する年齢のお相手にお見合いを申込んだ場合、ずれていれば、お相手からお見合いを受けてもらえません。その結果を受けて、最初のうちは「なんでなんだろう?」と感じます。それが続くと、だんだん気持ちがめげてきます。どこかのタイミングで「自分の希望条件に無理がある」と感じる人は、軌道修正することができます。そうでない人は、「(この方法は)私には合わない」となってやめてしまいます。結局どこまでいっても、答えは自分の中にしかありません。

矢内 文浩(やない ふみひろ)
アトラクティブ代表 NPO法人 魅力開発研究所 理事長 魅力アップ&婚活アドバイザー 
婚活サロンを運営する傍ら、魅力アップや婚活を支援する講師として活動している。これまでにアドバイスに関わった数は2,500人を超える。ブログ「素敵な出会いを引き寄せる365のヒント」は5年以上毎日更新中。

(文・構成:石徹白未亜)

最終更新:2015/03/15 21:00
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