整形を強制する者も! ハリウッドで伝説となった「モラハラ夫」エピソード
申請書に記された離婚理由はすさまじいもので、「チャーリーは処方してもらう強い鎮痛剤に依存しており、オンライン・ポルノにも依存している。娼婦を呼んだり、ギャンブルにもハマっており、まったく家庭を顧みない」「家にはほとんどいないが、たまに帰ってきたかと思うと不機嫌で、私に罵声ばかりを浴びせる。ずっと激しい言葉の暴力を受け続けた」「彼のモラハラは、私が妊娠中のときが最もひどく、2人目を妊娠してからはどんどんエスカレートしていき、暴力も始まった。上の子を抱っこしている私を押し倒し、“殺してやる”“オマエも子どもたちもみんな殺してやる!”と脅されたこともあった」と訴えている。
デニスは離婚手続き中に近所に住むミュージシャンのリッチー・サンボラと不倫関係になったため、「どっちもどっち」と当初は世間からあまり同情されなかった。しかし、チャーリーがその後結婚したブルック・ミュラーを殺すと脅迫したとき、デニスはTwitterで、「いつか、全てのことを話すわ」と意味深にツイート。離婚申請書に記載している以上にひどいモラハラと暴行をチャーリーから受けたに違いないと、同情されるようになった。
デニスはその後も、自分の子どもたちやブルックの子どもたちのことでチャーリーと頻繁に接触しているが、チャーリーは自分の思い通りに動いているうちはデニスに優しく金もたんまり与える一方、反発されるとたちまち不機嫌になり金を渡さなくなったり、家を追い出そうとしており、典型的なモラハラ男だと世間からあきれられている。
■キム・ベイシンガーの2番目の夫、アレック・ボールドウィン
『あなたに恋のリフレイン』(91)での共演がきっかけで交際するようになり、93年に結婚したキム・ベイシンガーとアレック・ボールドウィン。95年には娘が誕生し、ハリウッドのパーフェクトファミリーとして人気を集めていた。
しかし01年にキムは、「交際期間を入れた10年間、ずっとアレックから暴力とモラハラを受けてきた」と離婚を申請。その後、「彼のモラハラは娘にも向けられている。言葉による暴力は、あざが残る暴力と同じで、心をえぐるように傷つける」と訴え、親権裁判がスタートした。お互い親権を譲らず、裁判官がなにかを決定するたびに、互いを「裁判所命令違反罪を犯した!」と告発し、裁判は泥沼化したものの02年に離婚が成立。07年にアレックが娘の留守番電話に残した内容が流出すると、世間はアレックのことを強く非難するようになった。
その留守電内容は、「約束していたのに、なんでパパに電話をかけてこないんだ。失礼にもほどがある」「パパのことを侮辱したな。お前は思いやりもないチビブタだ」などと口汚く、激しい口調で怒鳴りまくっているもの。キムが主張し続けてきた、「アレックはひどいモラハラ男」ということが証明される決定的証拠になったのだ。
アレックは現在、26歳年下の美女と再婚し、新しい家庭を築き上げている。しかし、今でもパパラッチにぶち切れ、暴行騒ぎや差別発言騒動を何度も起こしていることから、新しい家庭でもモラハラ言動を取っているのでは、と心配されている。
■マリリン・モンローの2番目の夫、ジョー・ディマジオ
永遠のセックスシンボルとして今なお根強い人気を誇るマリリン・モンローは、人気絶頂の54年、ニューヨーク・ヤンキースの花形選手ジョー・ディマジオと結婚。しかし、直後からジョーの「マリリン人気」への嫉妬を起因とするモラハラが始まったと伝えられている。
ジョーは、マリリンに「女優を引退して家庭に入ってほしい」と頼んだこともあったが、彼女はこれを拒否。自分の思い通りにならないマリリンにジョーは怒りを炸裂させ、暴行するようになった。そして、映画『七年目の浮気』(55)でスカートが風でめくれ上がるシーンを撮影した直後、2人は大げんかし、マリリンは結婚後わずか9カ月で離婚を申請。数カ月前からかなりひどい暴力を振るわれており、あざをメイクで隠しながら撮影を行っていたほどだったが、マリリンが離婚原因に挙げたのは「モラハラ」だった。
「マリリンはオレの最悪な部分を引き出す」と苦悩していたジョーは離婚に応じたが、その後、彼女が3番目の夫と離婚したときやジョン·F·ケネディ大統領との不倫疑惑で悩んでいたときに相談に乗るなど、常に彼女のことを思い、尽くし続けた。そして、マリリンが急死したときは誰よりも嘆き悲しみ、葬儀も全て彼が執り行った。なお、ジョーとマリリンは、彼女が亡くなる直前に「また結婚しよう」と約束したと伝えられているが、夫婦になったら再び関係は壊れていた、と見る人が多い。
ほかにも、歌手ティナ・ターナーへ激しいDVと心がズタズタになるほどの発言を浴びせ、彼女を新興宗教に走らせたミュージシャンのアイク・ターナー、学生時代から付き合ってきた元妻に対して「死ね」「殺す」などのリリックを書き、彼女を精神的に追いつめたエミネムら、モラハラ夫は枚挙にいとまがない。
大女優エリザベス・テイラーも最初の夫コンラッド・ヒルトン Jr.からDVやモラハラを受け、離婚を申請。モラハラから逃れるように離婚した女性は再婚に慎重になるとされるが、エリザベスの場合は翌年懲りることなく再婚しており、その後も離婚・結婚を繰り返したので、恋愛依存な上に共依存体質だったのでは、と見られている。