老いとトラブルが同時に押し寄せる、中年女の覚悟を「婦人公論」から学ぶべし
先日、妊娠6カ月であることを明らかにした森三中・大島美幸。大島は妊娠を目指して、昨年5月からタレント活動を休止していました。最近話題の“妊活”ですが、今号の「婦人公論」では「不妊治療を選んだ先に」というテーマで、ルポとインタビューが掲載されています。「『精子提供』で子を授かった親たちの思いとは」では4組の夫婦がその経緯、いま抱える悩みについて語っています。血のつながりとはなにか? 家族とはなにか? これから多様化するであろう家族の形を考える上で、非常に意義深いルポとなっています。
インタビューには、体外受精で妊娠に至ったプロゴルファーの東尾理子が登場。東尾は不妊治療の全てをブログで公表し、同じ悩みを抱える女性から賛同を得た一方、出生前診断のことまでつまびらかにしたことからバッシングも受けたことも。「不妊治療の『不』には、ちょっとネガティブな響きがありませんか。だから『妊娠しようと頑張っている』という意味で『TGP(Trying To Getting Pregnant)』という言葉をつくり、私はもっぱらそう呼んでいます」とあくまでポジティブに治療と向き合っていたようです。
夫にも妻にも、精神的・肉体的・そして経済的な負担がのしかかる不妊治療。里親問題もそうですが、私たちがいかに“自然な妊娠”“自然な出産”、 そして“自然な家族”という実体なきイメージに縛られているか。転換期はもうそこまできている気がします。
<トピックス>
◎不妊治療を選んだ先に
◎特集 50歳、60歳、70歳、女の節目につまずかないために
◎いくよちゃんに、まさかのがん宣告。「命だけは助けて!」と願った日
■老いと人生トラブルはともに押し寄せる
さて、今号の特集は「50歳、60歳、70歳、女の節目につまずかないために」です。リードには「閉経後、思わぬ体調不良に見舞われたり、悪戦苦闘した子育てが一段落したと思ったら、親の介護が始まったり……。人生の後半に襲いかかる出来事は、いつも突然で心身に重くのしかかるものです」とあります。人生のイベントはどんどんハードになっていくのに、気力体力はどんどん目減りしていく読者へ気持ちのありようを提言。
特集冒頭はアンケートページ。「“私の節目”は、あの時だった」では、「肉体的な変化を一番感じた時期はいつですか?」「精神的につらかった時期はいつですか?」などの質問に対する答えを、年代ごとに挙げています。肉体的な衰えは“40代”で、ショック1(体型の変化/更年期障害/シミシワ)が訪れると、雪崩のように衝撃的な出来事が起こるのだとか。しかし「肉体的な衰え=ショック」と感じているのは、40代50代まで。60代を過ぎると「大腸がんでステージIIIと言われ戸惑いましたが、抗がん剤も乗り切り、ほっとした頃に股関節が痛み出した。今は老いを受け入れ、たんたんと過ごしています(主婦73歳)」と、なんでも来いの境地に達するよう。大腸がんが去って股関節痛がやってくる。それが人生というものか。