カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」3月号

暴言・妄言・上から目線! 「CLASSY.」がモテ言説に“男の本音”を悪用しすぎてる問題

2015/02/06 19:00
「CLASSY.」2015年3月号(光文社)

 今号はタイトルだけで気になってしょうがない企画「接近戦もOK!の『壁ドン』美容」から、「CLASSY.」レビューを始めたいと思います。昨今の流行語サイクルは目まぐるしく、「壁ドン」もすでに古いという感じが否めないのですが、そういう細かいことは気にしない「CLASSY.」。「急にロマンティックなシーンが訪れても慌てないケアが必要」と、5つのシチュエーションごとに求められる美容ケアを紹介しています。

 そして「CLASSY.」がシチュエーションを設定しだしたら、トンデモ妄想をぶち上げると相場は決まっています。まずはその1、イケメン先輩からの会社で突然の「壁ドン」。その2、サークルの追いコンで憧れの先輩から「俺じゃダメか……?」といった「あすなろ抱き」。その3、ホームパーティーで彼からの“熱ある?”系「おでこタッチ」。その4、初デートの港の見える丘公園での大胆「顎くい」。その5、プレゼン成功後、イケメン先輩からのご褒美「頭ポンポン」。どうですか、この「壁ドン」を切り口に展開される昭和トレンディドラマ。美容グッズが全然頭に入ってこない、まさに「CLASSY.」の真骨頂です!

<トピックス>
◎接近戦もOK!の「壁ドン」美容
◎特集 あなたのカジュアルに「カッコいい」は足りてますか?
◎切実です! 30代の出会いと別れ

■何度目かの「○○こそモテる時代」

 今号の特集は「あなたのカジュアルに『カッコいい』は足りてますか?」です。ついに「CLASSY.」が「こなれ」を飛び越え、「カッコいい」を求めてきました。「デニム、スウェット、スニーカー、キャンバスのトートバッグ……。こなれカジュアルの必須アイテムだけでコーディネートしてるから間違いないはずなのに、どうも子どもっぽくなったり、ほっこりしすぎたり、いまいち決まらないことありませんか? 実はカジュアルをオシャレに見せるのに絶対必要なのは“カッコいい”という要素」。マジですか……こなれろこなれろと煽るから慣れないコンバースを一生懸命履いてきたというのに……ああ早く言ってよ!!

 ではどんなスタイルが“カッコいい”カジュアルなのよ~、とページを開いて愕然。その答えは、

「痩せて見えればそれだけでカッコいい」

 ……ウソでしょ!? 思わずひっくり返したちゃぶ台が華麗に3回転しました……。リードには「“カッコいい女性”をイメージした時に頭に浮かぶのは、すらりと伸びた脚、キュッとくびれたウエスト…とにかくスタイル抜群の像」とありまして、そりゃそうでしょうよ、すらりのキュッがカッコいいでしょうよ、でもすらりのキュッだったらそもそも「こなれ」で悩まないでしょうよ!!

 そんなこんなでこちらの企画では、“すらりのキュッ”に少しでも見せるアイテムの組み合わせを模索しています。そのステップ1が「『太って見える』原因を探せば『痩せて見える』服が見えてきます!」。太って見えるの反対が痩せて見える……そりゃそうでしょうよ(本日2度目)! 「柔らかなダウン素材がまるで肉襦袢のように上半身全体を覆う」→「体の肉感を拾わない硬さのある素材がベスト」、「コクーンシルエットが体の丸みと脚を太さを強調してしまう」→「ひざ上5~10cmの厚手素材タイトですっきり見せる」など、NGアイテムと正解アイテムを並べて掲載していますが、ここで気づいてしまいました。ダウン、コクーンスカート、ミディ丈スカート、グレーのインナー……「太って見える」とされるこれらアイテムが、少し前に「この秋冬キてるアイテム」として紹介されていたことを。これぞ「CLASSY.」名物、いや女性誌名物、揺り戻し!

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