『花燃ゆ』、大河ワースト『平清盛』下回る視聴率推移! 「乙女ゲー」「花男みたい」と違和感噴出
今年1月4日からスタートしたNHK大河ドラマ『花燃ゆ』が、5回目の放送を経た今も低迷状態にあり、ネット上でも心配の声が絶えない。初回の平均視聴率が16.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と歴代ワースト3位の発進となってしまった同作は、年間平均視聴率12.0%で大河史上ワーストを記録した『平清盛』(2012)を下回る視聴率の推移をみせているのだ。
『花燃ゆ』は、明治維新で活躍した数々の志士を育てた吉田松陰と、その松陰を育て支えた家族たちの物語。家族の強い絆や、松陰の志を継いだ若者たちの青春群像が描かれ、主演・井上真央は松陰の妹・文(ふみ)を演じている。最新の第5話では第2話の13.4%を下回る12.8%で、さらにワーストを更新してしまった。
井上を始め、松坂慶子やかたせ梨乃、井川遥という人気女優陣、また大沢たかおに伊勢谷友介、高良健吾や東出昌大など、今をときめくイケメン俳優らの出演で注目を集めていた『花燃ゆ』だが、自己ワースト更新中の原因は、一体何なのだろうか?
「主人公が吉田松陰の“妹”という、歴史的に認知度の低い人物という部分から、すでに『なぜ彼女を取り上げたのか?』と首を傾げている視聴者が多いようです。さらに、『江〜姫たちの戦国〜』や『八重の桜』など、同じように女性を主人公に置いて描かれた過去の大河ドラマについても触れながら、『女性主人公ではどうしても世界観が狭まる』『大河ドラマにはスケールの大きさを期待している』などと、典型的な大河ドラマを好む視聴者に受け入れられないという声も出ています」(芸能ライター)
それでも『江』の初回平均視聴率は21.7%、『八重の桜』は21.4%とどちらも20%超え。『花燃ゆ』がいかにスタートでつまずいたかがうかがえる。そこで好発進できなかった理由の1つとして、同ドラマのキャッチコピーが挙げられるようだ。
「『幕末男子の育て方。』というキャッチコピーなんですが、NHKの土屋勝裕プロデューサーはこれについて『文が、志士たちを励ましたり、叱ったり、褒めたりしながら、“やる気スイッチ”を押していく姿が同作の見どころ』と説明しています。この若年層をターゲットにしたような宣伝文句には、『はやりの乙女ゲームみたい』という印象を抱く人が多かったようです。ほかにも『幕末の学園ドラマ』という言葉が公式で使われていますが、やはり大河ドラマとは真逆のライトなイメージが強くなってしまいます」(同)
また、ターゲットにしたとされる若年層からも、井上の過去の出演作『花より男子』(TBS系)と『花燃ゆ』が重なって見えるという意見が少なくない。
しかし、上記の『江』や『八重の桜』は滑り出し好調だったものの、2話目以降は数字を落とすことが多く、年間平均視聴率はそれぞれ17.7%と14.6%で幕を下ろしている。一方で、女性が主役の大河ドラマの中でも一大ブームとなった『篤姫』は、初回は『江』『八重の桜』に劣る20.3%であったものの、人気とともに右肩上がりの数字を連ね、最終回は28.7%を叩き出し、年間視聴率も24.4%を記録した。
一部芸能マスコミの間では「スタートから1カ月で、早くも『平清盛』のワースト記録を更新するとうわさされている」(同)という声も出ているが、過去の作品を見ても巻き返しのチャンスはあるとも言える。まずは自己ワースト更新を食い止めることを期待したい。