『Xファイル』が復活!?　スケジュールがネックでも、米FOXは「実現したい」と鼻息荒め

　前出のように、“宇宙人入植の日”になにもできなかったことを根に持っている感のあるクリスだが、「TCAウィンター・プレス・ツアー」に出席したFOX局の重役2人は、「我々は『Xファイル』が放送されていたとき、20世紀FOXテレビジョンで働いていた。クリス、デイヴィッド、それにジリアンとは、今もとてもよい関係にある。彼らとともにリブート版を制作したいと、心から望んでいる」と楽観的。「でも、実現するのは簡単なことではない。デイヴィッドとジリアンは多忙を極めているし、クリスもたくさんの作品を抱えている。リブート版制作の時間をいかに捻出できるかにかかっている」と述べ、スケジュールさえ調整できれば実現できるとポジティブな姿勢を見せた。

　クリスも昨年受けたインタビューで、「『Xファイル』の映画第3弾は“宇宙人入植の日”後の世界が舞台になるね。“宇宙人入植の日”は無視することができないから」と発言。リブート版が制作されるとすれば、同様に“宇宙人入植の日”の世界でストーリーが進むという、さらにSFチックな展開になる可能性が高そうだ。

　気になる3人のスケジュールだが、クリスは新作ドラマ『The After』の企画がぽしゃったばかりなので、リブート版を制作する時間は多少あるはず。デイヴィッドは、実在のカルト指導者チャールズ・マンソンを題材とした米NBC局の新作犯罪ドラマ『Aquarius』に主演し、ジリアンもサイコスリラー＆ホラーとして注目を集めているNBC局の『ハンニバル』に準レギュラー出演中である。2人とも撮影に忙しいだけでなく、NBC局から、ライバルであるFOX局の看板ドラマ『Xファイル』に出演してもよいか、契約上の理解を得なければならない。

　また、ジリアンは現在ロンドンに住んでおり、長時間拘束されるシリーズ制作に主演することには消極的だとも報じられている。米芸能誌「エンターテインメント・ウィークリー」から、「映画ではなくリブート版制作の企画が出ているようですが？」と聞かれたジリアンは、「ロンドン在住で、3人の子どもの母親である私にとって、映画よりはるかにたくさんの時間を要するシリーズを制作することは、決して容易なことじゃない。じっくり考えないと」とコメント。ジリアンと最初の夫との子である長女は今年で20歳になるが、その後、パートナーとの間にもうけた長男・次男は8歳、6歳とまだ小さく、長期間離れ離れになりたくないのだろう。このことから、『Ｘファイル』のリブート版が実現するとしても、数年先の話になりそうである。