『Xファイル』が復活!? スケジュールがネックでも、米FOXは「実現したい」と鼻息荒め
米5大テレビネットワークの「FOX」が17日、1990年代に世界的に大ヒットした『Xファイル』のリブート版を制作する準備を進めていると発表した。実現するにはいくつかの問題を乗り越えなければならないが、FOXは「ぜひ実現したい」と強い意欲を見せている。
『Xファイル』は、FBI(米連邦捜査局)捜査官がUFO(未確認飛行物体)やUMA(未確認動物)、オカルトなど、科学では説明のつかない超常現象を調査するというストーリー。次々と起こる不可思議な事件だけでなく、超常現象に対し肯定的な捜査官モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー)と、懐疑的な捜査官スカリー(ジリアン・アンダーソン)の対照的なコンビが絶妙で、ドラマは大ヒット。世界中で社会現象を巻き起こした。98年には映画版『Xファイル ザ・ムービー』が製作され、番組が終了してから6年後の2008年にも『Xファイル: 真実を求めて』を製作し、ファンを大喜びさせた。
ドラマシリーズでは「12年12月22日が宇宙人入植の日」だと設定されていたため、この日に合わせて映画かミニシリーズを期待する声が高まったが、結局なにも起こらずにファンは激しく落胆。13年には、その後のモルダーとスカリーを描いた公式マンガ『The X‐Files Season 10』が発売され、番組クリエーターのクリス・カーターやデイヴィッド、ジリアンは3作目の映画版製作の可能性があることについて示唆してきたが、「でも“宇宙人入植の日”は過ぎちゃったし……」とテンションは低めだった。
しかしここにきて、風向きが変わった。米老舗エンターテインメント業界誌「Variety」は17日、カリフォルニアで開催されている新番組/ドラマ新シーズンのお披露目イベント「2015年度 TCAウィンター・プレス・ツアー」での米FOX局の重役の話を紹介。『Xファイル』のリブート版を、オリジナルキャストで製作する計画を進めていることを明かしたと伝えた。リブート版とは、作品設定の根幹だけを残し、シリーズを仕切り直しする手法。これによって、前作を知らない視聴者でも番組に親しみやすく、新たな視聴者を獲得できるともいわれている。
FOXは昨年5月に、キーファー・サザーランド主演の『24‐TWENTY FOUR‐』のリブート版『24‐TWENTY FOUR‐ リブ・アナザー・デイ』を放送している。『24』は2000年代に世界的に大ヒットした同局の看板ドラマで、10年に放送終了した後も多くのファンから支持を得ていた。そのため、映画化の企画が持ち上がったものの頓挫。代わりに、エピソード数を通常の半分である12話に減らし、ミニ新シリーズとしてリブート版『24‐TWENTY FOUR‐ リブ・アナザー・デイ』を制作し、高視聴率をマークした。
味を占めたFOXは、『24』のリブート版を継続して制作・放送したいと考えているようで、「TCAウィンター・プレス・ツアー」では、この件に関する質問が飛び交ったとのこと。FOXは、「新たに『24』のリブート版を制作する計画は今のところない」と前置きした上で、キーファーの理解は得ており、やろうと思えばいつでも制作できる状況にあると発言。その後、FOXの重役は『Xファイル』のクリエーターであるクリスと、主演のデイヴィッド、ジリアンの3人にリブート版制作をしたいと働きかけたところだと告白。オリジナルキャストが主演することを条件に、「ぜひ、復活させたいと思っている」と語った。