永山絢斗、野村周平、EXILE勢が躍進もジャニーズ低迷!2014年の若手イケメン俳優
野村周平写真集 『side』(ワニブックス)
5位 野村周平
『僕のいた時間』(フジテレビ系)で三浦春馬の弟役として、人の気持ちが理解できない医大生・澤田陸人役で注目され、『若者たち2014』(フジテレビ系)の四男・佐藤旦役でブレークした野村周平。恋人に裏切られた哀しみからリベンジポルノをネットに投下する場面の表情は今でも忘れられない。永山絢斗とは真逆の、思春期の悩みをこじらせたイケメン童貞役を演じられる貴重な俳優だ。
【総評】若手ジャニーズが低迷、隙間産業にEXILEが躍進
すでに評価が定まっている小栗旬、三浦春馬、向井理などはあえて外して、できるだけフレッシュな顔ぶれを選んだが、思った以上に層が厚いと感じた。池松壮亮、窪田正孝、本郷奏多も迷ったが、映画ではすでにキャリアを確立していると考えて、あえて除外した。
バランスを取ってジャニーズ事務所の俳優も入れようかと迷った。『軍師官兵衛』(NHK)のV6・岡田准一、『プラトニック』(BS‐NHK)のKinKi Kids・堂本剛、『HERO』(フジテレビ系)のSMAP・木村拓哉、『ごめんね青春!』の関ジャニ∞・錦戸亮が役者としてネクストステージに入ったことは明らかだが、それはあくまで彼ら個人の俳優人生の問題で、また全員が30代以上のため、除外した。しかし、それ以外の役者と考えると、どうにも関ジャニ∞以降の10~20代前半の俳優がイマイチ育ってないという層の薄さが明らかになる。そんな中、山田涼介(Hey!Say!JUMP)や中島健人(Sexy Zone)の今後は期待できるが、イマイチ作品に恵まれてない。どうにもジャニーズ系の若手俳優は厳しい状況が続いている。
また、見逃せないのがEXILE系の躍進だ。ベテランでは『GTO』(フジテレビ系)のAKIRA、『ビンタ!』(日本テレビ系)の松本利夫などは、イケメン俳優が演じられない肉体派のヤンキー出身の青年を演じ、じわじわとパイを奪っている。中でも今後が期待できるのは『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)、『水球ヤンキース』(フジテレビ系)に出演した劇団EXILE出身の鈴木伸之。あの憎々しい笑顔のイジメっ子役は今後も需要があることだろう。
若手が育たないジャニーズが劣勢となり、福士蒼汰たち新世代のイケメン俳優(そのほとんどが特撮か朝ドラを経由している)がメインストリームで活躍する中、EXILE勢がじわじわと進出し隙間産業化していったのが、2014年のイケメンドラマをめぐる状況だったと言えよう。
(成馬零一)