火花散る「やしきたかじん妻」報道に決着をつける、「殉愛」の証明方法とは
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎関東におけるコンセンサス
週刊誌間での代理戦争状態の、やしきたかじん妻報道。彼女に批判的なのは、百田尚樹先生が書いてくれる可能性が永遠にゼロの「週刊朝日」(朝日新聞出版)と「サンデー毎日」(毎日新聞)くらいだ。つまんね。逆ならいいのに。しかし、ダンマリを決め込んでいた報道が動いたのは、「週刊文春」(文藝春秋)の連載で林真理子御大が「おかしい」と発言したのがきっかけだそうな。さすが御大。百田先生もそれに反論と。文壇は動いているのであるな。まだ読んでないけど。
しかし、そんなことより気になるのは、林真理子先生がエッセイでたかじんのことを「大阪のカリスマ芸人」と表現されていた点だ。むう……。彼を歌手だと思ってるのは関西圏だけで、世間一般ではあれ「芸人」なのか。水も漏らさぬ文藝春秋の校閲がスルーしたということは、そういうことなのか。じんちゃんが東京を嫌った理由がなんとなく実感できた気が。なんか死後、いろいろごちゃごちゃミソがついちゃったよなぁ。本当に「殉愛」なら、遺産放棄するってのはどうでしょう。言ってみただけですよ。
……たかじんフォーエバー。
◎グーグル先生にも聞いてみよう
「最初は、なかなか馴染めなかったです。でも、外国人だからって差別なく、皆が応援してくれた。だから僕も頑張れました」と、微笑む琴欧洲が出演中の「人権週間」啓発CM。ふーん……。これ、高見山バージョンも作って欲しいな。当時の日本相撲協会のお歴々の映像と共に。武蔵丸バージョンもな。反省を込めて、土下座するつもりで。本当に、どの口でぬけぬけとそんなこと言ってんだ。いや、言ってるの琴欧洲なんだけど。外国人力士に「差別がなくてよかった」とCMで言わせる世になったか。昭和は遠くなりにけり。この原稿の意味がよくわからない人は、お父さんお母さんに、昔のことを聞いてみよう!
あ、「人権について啓発」するということなら、その辺も含めて、このチョイスはワンアンドオンリーだったってことか。あの過ちを二度と繰り返さないようにってことか。なるほど。まだよくわからないって人は、おじいちゃんおばあちゃんにも聞いてみよう! 人権週間!!
◎クールジャパン推進議長の次の一手
たかみな卒業で、何かいよいよ音を立てて崩れ始めた印象のAKB48。余命宣告1年か。なんかいろいろリアルな感じ。そんなAKB48が起死回生するには、外国人メンバーなんか入れてる場合じゃない。○○さま入れなきゃ、○○さま。彗星のごとく誕生した、純度100%の象徴アイドル! むせび泣くオタクはもちろん、日本が、いや世界が大注目。衣装の露出度は、1人だけちょっと少な目。デビュー曲は「やんごとないほど恋したい!!」。アップなメロディに乗せて、お得意のダンスが炸裂。次曲は、哀愁を帯びてスローな「missのむこう」。AKB48よりさらに斜陽な乃木坂46から、数人を「ご学友」として移籍させ、AKB48からもメンバーを出してユニット結成。
活動スケジュールは学業最優先で、警備上の問題から握手会も不参加だが、人数を絞り、中継という形で参加されることも。Twitterを始められると、1時間後には10万越えのフォロワー数を記録。韓流スターとの交流にも熱心に取り組まれ、「ネトウヨをも黙らせる、新しい外交の形」と大韓日報も好意的に報道。AKB48第二黄金期到来に、CDは再び売れに売れ、初夏の総選挙も生放送復活だ。投票には、例年には見られない、おじいさんおばあさんたちの姿も散見されたという。もちろんぶっちぎりの1位。20万票獲得。「わたくしは、この国のみなさんと、わたくしなりの形で、常に、常に共にありたいと願っております」と、SPに囲まれながらスピーチし、センターは辞退。芸能活動に反対されていたご家族が、お忍びで会場にいらしていたのをご覧になって、一筋の涙が頬を伝ったという。
不可能を可能にする、秋元先生のお力をもってすれば、実現できるかもしれないと思って、献策させて頂きました。もうプロジェクト始動してたら、すみません。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。