鉄の処女、火あぶり、石抱――「拷問博物館」がカップルの距離を縮めるワケ
(左)鋼鉄の処女。映画『スリーピー・ホロウ』に出てきたやつだ。顔が……怖いです! (右)内側にはこんな針が……!! ぐえええ。
(左)少女マンガでさんざん見たギロチンだけど、本物は初めて(レプリカだけど)! (右)『大奥』(よしながふみ、白泉社)で見た拷問器具が!!
これは、「石抱(いしだき)」という拷問。洗濯板みたいなギザギザの板の上に正座させられ、その上から50キロ以上からの重たい石を載せられるのだそうだ。この拷問の何が恐ろしいかって、展示の説明書きに「やりましたと白状するまで続けられる」と書いてあるのに、「石を載せられると、苦痛で失神する」とある。白状したくたって失神したらできないだろう! なんて恐ろしい……。
展示を見ている最中、ずっと『生徒諸君!』(庄司陽子、講談社)のナッキーこと主人公・北城尚子のセリフが頭にグルグル回っていた。『生徒諸君!』は、暑っ苦しい女子高校生・ナッキーが、暑っ苦しい正義を振りかざして、不幸の降りかかる仲間となんやかんややる話である。その中で、高校生からリンチを受けそうになったナッキーが「こういうことをする人間は、自分がやられたら嫌だと思うことをするんだ」と言う。拷問はまさにそうで、もし自分がこんな目に遭ったらと思うと、口から泡が出そうである。
展示や説明を読むたびに、背筋が凍る思いだ。しかし「博打デートスポット」的には、それがチャンスである。想像力豊かな彼氏・彼女なら、この恐ろしい展示を見て、すっかり夜道を歩けなくなっていることだろう。「今日は離れたくない」「一緒にいて」と向こうからおねだりしてくるかもしれない。もしくは「怖い……」などと言って手を握ってみるのもいいかもしれない。拷問博物館で吊り橋効果。さあ今夜が勝負だ!
浮気が疑われる彼女にはこれを見せよう。
不貞を働いた女は実家に戻され、その際この手錠で手をつながれるらしい。実家すら娘の味方じゃないとは、なんと人情の薄い……! この展示は、彼氏がゆっくりと口に出して説明を読み上げ、「昔は浮気をすると、こんなものをつけられちゃったんだね……」とか言いながら、彼女の首筋を指でなぞるがよい。心当たりがあったら震え上がるだろうな。そんなギスギスしたことはしたくないよ! というポジティブカップルには、これだ。