「レイプ」発言のエミネムをやり込めたイギーに、ファンが冷たいワケとは?
これまでギャングスタな黒人やホワイトトラッシュ(白人貧困層)が支配してきたラップ界において、“オーストラリア出身の白人ブロンド女性”という異例の存在でありながら、2014年に一気にスターダムにのし上がったイギー・アゼリア。今年2月にリリースした「Fancy feat.Charli XCX」で大ブレイク、フィーチャリングされたアリアナ・グランデの「Problem」も世界的なヒットとなり、ジェニファー・ロペスとコラボした「Booty」も大好評。今年はまさしくイギーの年となった。
しかし、イギーはラップ界でよくも悪くも格好のイジリネタとなっており、これまでニッキー・ミナージュにちゃかされたり、スヌープ・ドッグに笑いのネタにされるなど、なにかとディスられてきた。そんなイギーが、またラップ界の重鎮に「ムカつく小娘」だと攻撃された。ディスったのは、白人ラッパーとして世界的な成功を収めたエミネム。19日にiTunesでリリースした新作コンピレーションアルバム『Shady XV』に収録されている「Vegas」という曲の中で、イギーのことを「レイプしてやろうか」と脅迫したのだ。
問題のリリックだが、まず「プライドなんて捨てなきゃな。オレの後をついてくるってだけでラッキーなんだからよ」と白人ラッパーである自分の二番煎じに向かって挑発。続けて、「お前を、ハンヴィー(高機動多目的装輪車)の横で走らせてやるとするじゃん。ニッキーじゃなきゃついてこれないだろうから、手首をつかんでやるよ。スキーでもしようぜ 」とラップし、“二番煎じ”がニッキー・ミナージュより格下だと示唆。その直後、「で、どうなるって?/とっととクソ流せよ、イギー。オレさまにレイプされたいのかよ。叫びやがれ! 望むところだ」と“二番煎じ”がイギーだと明かした上、レイプしてやろうかと爆弾を投下したのだ。
エミネムはこれまでにも、ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラ、マライア・キャリー、マイリー・サイラス、レディー・ガガらを手当たり次第にこき下ろしてきた。近年、仲よさげにコラボしているリアーナに対してさえ、09年にリリースした「Medicine Ball」で、「リアーナに小便かけてやる/オレ様はやりたいことはなんだってやるんだ」とディスっているのだ。
今回も、恐らく「白人ラッパーとして大成功を収めたオレ様の女性版じゃねぇか、ムカつく小娘だな。レイプでもしてやろうか」というノリでディスったものとみられるが、そこは“女性だからって泣き寝入りなんてしない”世代のイギー。大御所エミネム相手に、即座にかみついた。
イギーはTwitterで20日、「ジジイたちの“若い女の子を脅迫する娯楽トレンド”には、もうウンザリ。“若い女の子たちが稼ぎまくるトレンド”の方が、何百倍も面白いっつーの」と、エミネムとついでにスヌープもまとめて“ジジイ”呼ばわりし、「アタシの14歳の弟はエミネムの熱狂的な大ファンなわけ。アタシは、弟があこがれるアーティストからレイプしてやるって言われてるわけよ。めっちゃ、気まずくない? ナイスって感じ!」と皮肉たっぷりにエミネムに反撃した。
イギーはネットだけでの反撃には物足りなさを感じたのか、23日に開催された『アメリカン・ミュージック・アワード』でもエミネムをチクリ。「ラップ/ヒップホップ部門」最優秀アーティスト賞と最優秀アルバム賞を獲得したイギーは、その受賞スピーチで、「エミネムとドレイクと共にノミネートされ、この賞を勝ち取ることができたということは、アタシにとってとても意味のあることだわ」と、アーティストとしては自分の方が上だと誇っているかのような発言を話して、観客から拍手を浴びた。