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嵐『THE DIGITALIAN』が示した新潮流 日本のポップスは“メロディ信仰”から“リズム改革”へ
2014/11/08 18:00
【リアルサウンドより】
嵐の新作アルバム『THE DIGITALIAN』が発売された。タイトルでも示されているように、全体的にエレクトロ/デジタルに大きく振ってきたアルバムである。具体的に言うと、シンセサイザーの多用、ヴォコーダー処理の多用、打ち込みのビートがおもな特徴として挙げられる。
冒頭の「Zero-G」は、そんなアルバムのコンセプトがよく表れている。とくに注目したいのは、ヴォーカルのエレクトロ処理が非常に強いことで、曲によっては、ヴォーカルを細かく刻んでもいる。このヴォーカル・チョップは、ダンス・ミュージックの領域ですっかり一般化した手法だが、嵐もこれを取り入れてきた。この点、重要視したい。というのも、日本の歌謡曲は長らくメロディ重視で受容されてきた経緯があるからだ。ヴォーカルをエレクトロ加工し、さらに声を細切れにまでするということは、メロディ重視という歌謡曲の呪縛を逃れ、ビート・ミュージックに寄っていく契機と見ることができる。声すらも加工され細切れになって、ビートの一要素になるということだ。エレクトロに平板化され、チョップされたヴォーカルは、「Asterisk」に顕著だ。まさに、嵐の「THE DIGITALIAN」化である。
最終更新:2014/11/10 20:30