コラム
【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

ご近所から“昼顔妻”とうわさされる美貌のアラフィフが、若い男とセックスを買い続けるワケ

2014/11/12 19:30

 礼子さんはご主人に気に入ってもらうために、あらゆる努力をしたという。

「元夫は野球観戦が趣味でしたので、わかりもしない野球雑誌を片っ端から読んで勉強しましたよ。彼がテニスをやっていたので、テニススクールにも通いました。共通の趣味を2つ作って、あとは店での対応ですね。温室育ちの坊ちゃんでしたから、オンナをフル活用して振り向かせることは、割と簡単でした」

 その後、本格的に交際をスタートし、ホステスを辞めた。プロポーズを受けたのはそこから半年後のことだった。有楽町で映画を見た後、ホテルのラウンジで、ブルーの箱に入った3カラットの指輪を渡されたという。

「私の人生の中で、あの瞬間以上に幸せだったことはありませんね。幼い頃から夢を見ていた幸せを、ようやくつかんだんですから」

 結婚式はオーストラリアで。身内は呼ばずに、2人きりで結婚式をした。

「2人だけの式は、夫の両親に反対されました。けれど、どうしても私の両親を彼の身内に会わせたくなかったんですよ。金銭的に苦しい両親が、裕福な夫の両親に卑下してヘコヘコ頭を下げさせたくありませんでしたし、私自身、両親のそんな姿を絶対に見たくありませんでした」
 
 誰もが羨むセレブ婚。幼い頃から母親の代わりに家の仕事を担ってきた礼子さんにとって、家事はお手のもの。結婚した翌年に妊娠、そして出産した。

「出産してからも、夫とはセックスしていましたよ。週に最低2度……3度、ということもありました。ママ友との飲み会ではじめて『私、多かったんだ!』って気付きましたね」

 ご主人から求められることが多かったそうだが、礼子さんも元来「セックス好き」だという。年を重ね、ご主人との夜の生活が少なくなってきたのは、ちょうど40歳を越えてから。ご主人がベッドに誘う回数が減ってきたのを訝しく思いだしたとき、礼子さんはご主人が浮気をしている証拠を見つけてしまった。浮気相手であるホステスとのやりとりメールが、携帯電話に全て残っていたというのだ。

「ショック、というより『当然だ』と感じましたね。そもそも私は実家からのしがらみから抜け出したいためだけに夫と結婚し、結婚生活を続けていたのですから。夫にしてみれば、私からの愛情はあまり感じていなかったのではないでしょうか」
 
 しかし礼子さんはすぐにご主人を追及することはせず、1年強の間“泳がせた”。「離婚するのであれば、不倫関係が長ければ長いほど、こちらに有利だと知人に聞きましたので」と、にっこりと笑う礼子さんの表情を見て、私はぞくりと寒気がした。

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