ご近所から“昼顔妻”とうわさされる美貌のアラフィフが、若い男とセックスを買い続けるワケ
家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
今年の夏は、婚外恋愛をしている者にとって奇妙な夏だっただろう。同じ曜日の夜、『同窓生~人は、三度、恋をする~』(TBS系)、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)と続けざまに婚外恋愛のドラマが発信され、世の中はちょっとした“婚外恋愛ブーム”となった。
日常的に婚外恋愛をしている人はそれほど多いわけではないし、世間もそこまで関心はないだろうと思っていたのだが、ドラマの影響で、普段婚外恋愛とは縁遠い人々も、一見その奇妙な関係性に興味を持ち始めてしまったようだ。
「このブーム、ホント早く終わってくれればいいなと思いましたよ。私はバツイチなんですが、それを知らない知人に男性と一緒にいるところを見られると、『もしかして“昼顔妻”?』って思われるんですよね。今まで何も言ってこなかったママ友たちが、あれこれ詮索してきて……もう本当に面倒でした」
この人は、婚外恋愛をしているかもしれない――そういう目で見られてしまう。うんざりとした顔で礼子さんは言った。彼女は、アラフィフのバツイチ女性。神奈川県の4LDKのマンションに、私立大付属の高校に通う娘さんと2人で住んでいる。ローンは全て元ご主人が支払っているそうだ。原色の幾何学模様が描かれたラップワンピに身を包み、セミロングの髪を丁寧に巻いて、頭の上にサングラスを乗せている礼子さん。彼女の第一印象は、まさにセレブ……誰もがそう思うのではないだろうか。
■貧しかった幼少期への怨念
礼子さんは、20代の頃に結婚。当時はデパートの靴売り場で働き、夜は銀座でホステスをしていた。
「私はあまり裕福ではない家庭で育ちました。睡眠時間を削って1時間でも多く働き、家計をやりくりし、やっとの思いで1日を生き抜く両親を見ていて、幼い頃から『私はこういう生き方はしたくない』と感じていました。奨学金を得て短大に入学してすぐ、年齢をごまかして銀座で働き始めましたよ。少しでも早く、結婚の売り手市場に上がりたかったので」
元ご主人は、クラブの客だった。食品会社の課長をしていて、神奈川県に住むご両親は古くからの地主。ご主人名義のマンションを2棟所有していた。
「『これだ!』と思いましたね。ルックスはよくなかったけれど、大学時代はテニス部に所属していたスポーツマンで、明るい人。家賃収入だけで暮らしていけるのに、きちんと仕事をしているところにも魅力を感じました。なにより、幼い頃から金銭的に不自由なく育った人って、心に曇りがなくておおらかなんですよね。そこが気に入りました」
なるほど、と私は感じた。幼い頃から金銭面で苦労をしてきた礼子さんは、華やかながらもどこか陰りを帯びているようにみえる。失礼を承知でそのことを伝えると、「自覚してます」と苦笑してみせた。