噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第243回】

山下智久の書類送検、ジャニーズ事務所が警察に期待した“配慮”の大誤算

2014/10/28 21:00
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「週刊女性」11月11日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 安倍政権のスキャンダルが止まらない。すでに小渕優子と松島みどりが閣僚を辞職、さらにSMバーと外国人企業献金問題の宮沢洋一経産相、老人ホーム口利き疑惑の塩崎恭久厚労相など続々と問題が発覚している。これまで安倍政権のマスコミ捜査にひれ伏していたマスコミも、ここにきて安倍政権への批判を強めている。今後第一次安倍内閣のような辞任ドミノになるのか。そしてまた安倍晋三は再びおなかが痛くなってしまうのか。そして辞任!? 今後の展開に注目だ。

第243回(10/23~28発売号より)
1位「山P 遅すぎた“緊急謝罪”イタすぎる示談金は300万円」(「週刊女性」11月11日号)
2位「矢口真里 “からっぽ釈明”3つの間違い」(「週刊女性」11月11日号)
参照「矢口真里 『これから稼ぐ! そして彼と』(「女性自身」11月11日号)
3位「中山美穂 恋人の母が“再婚エール”…『フランス婚でいいんじゃない!?』」(「女性自身」11月11日号)

 6月に六本木路上で一般人とのトラブルとなっていた事件で、10月21日に山下智久が器物損壊の疑いで書類送検された。女性週刊誌では「週女」のみがこれを報じている。もちろん他2誌はジャニーズ事務所に配慮してスルーしたのだろうが(おそらく「セブン」も次号には掲載されているまい)、女性週刊誌だけでなく、テレビなどの多くのメディアもその配慮は同様だった。

 特にフジサンケイグループでは「書類送検」という言葉を使わず、「捜査書類を送付しました」という言い換えまでして、山Pの犯罪性を薄めようと涙ぐましい努力までしていたほどだ。しかし、さすがはジャニーズキラーの「週女」。その詳細を記事化している。


 まず大きな疑問として現場には他に錦戸亮と赤西仁が居合わせたが、なぜ山Pだけが書類送検されたかについて、防犯カメラに山Pが一般女性の携帯を奪って逃げる様子がはっきり映っていたためらしい。これまで、この事件については一部のメディアしか報じてこなかった。もちろんこれもジャニーズへの配慮だろうが、しかし記事化したメディアにしても当初は「トラブルの主導は赤西仁で、山Pや錦戸は巻き込まれただけ」「激怒する赤西をほかの2人が宥めた」などと、さかんに主犯をジャニーズを辞めた赤西に押し付けようとしてきた。しかし今回の送検と防犯カメラの存在で、トラブルの主犯は山Pだったと証明されてしまった形だ。姑息な情報操作が警察によって暴かれてしまった形だが、しかし「週女」記事によると事態はさらに深刻だ。

 というのも、赤西は山Pと錦戸とは別の弁護士を立て、被害者女性との示談交渉を行っていた。しかし一方の山Pと錦戸の弁護士は、何も言ってこなかったというのだ。

「書類送検される事態になるのは想定外だったみたいですね」(週女より)

 これまでジャニーズは警察との深い関係が囁かれてきた。さまざまな場面で“配慮”してもらう。今回もそうした関係から被害届まで出されたのに、立件などされないと高をくくっていたのではないか。そんな推測さえ成り立つのだ。だが事務所側が予想するより、事態は次第に深刻になっていく。これに慌てた山Pと錦戸サイドは、被害者から提示された300万円という高額の示談金をそのまま飲むしかなかったということらしい。「どんなことでも揉み消せる」というジャニーズの驕りは、被害感情の強い一般女性や、本腰を入れた警察の前には届かなかったということだろう。

 もっと謙虚に、最初から謝っておけば、もう少しどうにかなったかもしれないのに――。傲慢対応の末の300万円。こんな大誤算でも、しかしジャニーズの傲慢さは改善なんてされないんだろうね。次は何?


『警察組織のすべて (別冊宝島 2175)』