「1,000万円なんてはした金」東野圭吾、江戸川乱歩賞授賞式を凍りつかせた舞台裏
9月に東京・帝国ホテルで「第60回江戸川乱歩賞」の授賞式が行われた。新人賞でも破格の1,000万円という賞金を得たのは、9年連続で同賞に応募し続けた末の受賞となった苦労人の新人・下村敦史だったが、その授賞式で同賞出身の人気作家・東野圭吾が会場を凍りつかせる一幕があったという。
「選考委員や歴代受賞者がスピーチを行い、受賞者を推していた有栖川有栖が『これまでの新人の中でも実力十分』と激賞するなど祝福が続きました。そんな中で1985年に受賞した東野にマイクが渡ると、東野は『まぁ1,000万円なんてはした金です。すぐにもっと稼げるようになりますから、パーッと使ってください』と、冗談ともつかない様子で話しだしたんです。その場にいるほとんどの作家は、簡単に1,000万円なんて稼げないため、場は静まり返ってしまいました」(出版関係者)
『容疑者Xの献身』(文藝春秋)などベストセラーの印税に加え、映画・ドラマ化された際の版権料もがっぽり入ってくる東野にとって、1,000万円を稼ぐことが簡単なのは事実だろうが、この発言の裏には、東野の抱えている不安が見え隠れするという。
「東野は、“ポスト東野”の座を脅かす新人が出てくるのを非常に恐れているんです。10月21日付の読売新聞で発表された『好きな作家ランキング』では、司馬遼太郎に続く2位に選ばれて大喜びしていたそうですが、常に人気が落ちる不安が付きまとっているよう。そのため新人には厳しく接することで知られ、今回も牽制の意味を込めて出た発言だったのではないでしょうか」(同)
以前は編集者からの評判も良かったというが、現在は「2012年に放送された連続ドラマ『東野圭吾ミステリーズ』(フジテレビ系)の視聴率が振るわなかったことについて、いまだに『俺の名前を使っても、アレしか数字が穫れないなんて』と話すなど、天狗になっている様子も見られます。周囲が持ち上げすぎて、調子に乗ってしまっているのでは……」(書籍編集者)との声も。
莫大な稼ぎは銀座遊びに使われているといわれ、今回のような授賞式にも露出の激しいドレスを着た銀座のホステスたちを4~5人引き連れてくるとか。「古き良き時代の大作家像を一手に担っている存在」(同)ともいわれる東野、これからも強力な新人の出現に負けず、その作家像を守り続けてもらいたいものだ。