少女と少年の“ちょっと大人になった”夏が鮮やかに満ちる、『子供はわかってあげない』
【10月の注目作】乙女臭い前半と男臭い後半……頭ひとつ抜けてる『月に吠えらんねえ』『あれよ星屑』『ドリフターズ』が登場
(左)『あれよ星屑』2(エンターブレイン)、『月に吠えらんねえ』2(講談社)
10月も半ばを過ぎてしまいましたが、今月は乙女臭い前半と、男臭い後半に分かれているようです。
1日に大島弓子先生の久々の新作『キャットニップ』1(小学館)が発売。高野文子先生と大島弓子先生の新刊が立て続けに読めるなんて、なんという僥倖でありましょうか。ほか、9日に売野機子先生『MAMA』4(新潮社)、10日にアキヤマ香『長閑の庭』1(講談社)、10日に渡辺ペコ先生『ボーダー』2(集英社)、17日に斉木久美子先生『かげきしょうじょ!』2(同)などが発売されます。すでに読んでしまったのでお伝えしておきますが、『かげきしょうじょ!』の2巻は素晴らしいです。
男臭い後半には、マンガ好きが注目するタイトルがずらりと揃っています。23日に清家雪子先生『月に吠えらんねえ』2(講談社)と幸村誠先生『ヴィンランド・サガ』15(同)、25日に三宅乱丈先生『イムリ』16(エンターブレイン)と山田参助先生『あれよ星屑』2(同)、そして27日に平野耕太先生『ドリフターズ』4(少年画報社)が発売されます。特に『月に吠えらんねえ』『あれよ星屑』『ドリフターズ』は待ちかねていた人も多いのではないでしょうか。
最後はまったく「女子マンガ月報」でなくなってしまいましたが、いずれにせよ今月もマンガ好きは大忙しなのです。
小田真琴(おだ・まこと)
女子マンガ研究家。1977年生まれ。男。片思いしていた女子と共通の話題が欲しかったから……という不純な理由で少女マンガを読み始めるものの、いつの間にやらどっぷりはまって、ついには仕事にしてしまった。自宅の1室に本棚14竿を押しこみ、ほぼマンガ専用の書庫にしている。「SPUR」(集英社)にて「マンガの中の私たち」、「婦人画報」(ハースト婦人画報社)にて「小田真琴の現代コミック考」連載中。