ケシャVSプロデューサーの裁判、レイプを匂わせる母親のメールで泥沼化
10月14日、歌手のケシャが、長年にわたり性的、身体的、心理的、そして言葉による虐待を受けてきたと、自らをスターにしてくれた音楽プロデューサーのドクター・ルークを訴え、世間を驚かせた。
売れないシンガーソングライターであるペベ・セバートに女手一つで育てられたケシャは、母に勧められるままに音楽活動を開始。音楽プロデューサーのドクター・ルークらの目に留まり、高校を中退してロサンゼルスに移住。下積み活動を重ね、2009年にデビュー・シングル「ティック・トック」を発表し、一気にスターダムを駆け上がった。
そんなケシャが、レーベルと契約を結んだ18歳のときからずっと性的、身体的、心理的、そして言葉での虐待を受けてきたとルークを相手取り訴訟を起こした。米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」が入手した起訴状には、「殻を破るためだと、無理やり麻薬や酒を飲まされた」「飛行機に乗る前になにかを鼻から吸引するように強要され、ラリっている状態でレイプされた」「無理やり酒を飲まされた挙げ句、二日酔いしないためにと薬を飲まされたら意識が飛んだ。気づいたら次の日の午後になっており、ルークのベッドの上に全裸で横たわっていた」など、これまで受けてきた虐待の数々が記されているとのこと。ルークとの関係を絶つため、レーベルの契約を取り消すことを求めているとも伝えられた。
彼女は今年1月、摂食障害の治療のためリハビリ施設入りしたことが明らかになったのだが、摂食障害のきっかけは、11年からルークに体重や体形のことを悪く言われるようになったからだと報じられてきた。ルークはケシャのマネジャーたちに「あのデブ、どうにかしろよ」と指示し、12年にミュージックビデオ撮影に立ち会った際には、「ったく倉庫みたいだな」と吐き捨てるように言ったとのこと。そんなことから、今回の報道に、ネット上は「いかにもありえそう」と反応する声が多かった。
ルークは、1997年に人気深夜バラエティ『サタデー・ナイト・ライブ』の番組バンドマンとしてキャリアをスタートさせた苦労人。裏方での活動を経て、ケリー・クラークソンの「Since U Been Gone」、フロー・ライダーの「Right Round」でプロデューサーの腕が認められるようになり、今ではマイリー・サイラスやケイティ・ペリーら旬の歌手たちの作品も手がける名プロデューサーとして人気を集めている。落ち着いた大人の雰囲気を持っていることから、国民的オーディション番組『アメリカン・アイドル』の審査員候補に挙がったこともある。
ハンサムでクールなイメージがあるルークだが、さすがに今回起訴された件には激怒し、「ケシャは自分のことを脅迫するだけでなく、虚偽の告発をすることにより、法的な拘束力を持つ契約から抜け出そうと企んでいる」と非難。「ケシャは新しいマネジメント事務所と母親ペペと共謀し、新しいレコードレーベルと契約を結べるようにしろと自分を脅迫した」と言い、ケシャを性的・心理的に虐待してきた事実はないと主張した。ルークの怒りは相当なもので、「ケシャは、これまでも同じように自分を脅迫してきた」「契約から解放しないなら、事実ではない、自分に関するひどい情報を『ブログで公表する』と脅されたこともある」とも暴露した。