『ニノさん』『Dの嵐!』で確信、嵐・二宮和也の“言葉の処理能力”の非凡さ
今回ツッコませていただくのは、10月5日放送分『ニノさん』(日本テレビ系)で見せた、嵐・二宮和也の恐るべき才能。
「人気芸能人がお休みの日に何をしているか探る」企画で、ポイントは「スマホでトークSP」としてLINEを使用し、LINE風のやりとりをテレビ画面に表示し続けるということだった。テレビ×ネットの相性って、なかなか難しいもので、LINEやTwitterなど、ネット要素を持ち込んで寒くなる番組は多い。
今回も嫌な予感がしたのだが、さすが根っからゲーマーの二宮。まるで3DSで遊んでいるかのような手つきで、両手を使ってスイスイ打ち込む。その入力のスピードも速ければ、指示出しやツッコミ、イジリも実に速いのだ。
スタジオゲストはフットボールアワー・後藤輝基と、オアシズ・大久保佳代子で、「中継ゲスト」は、「部屋でゴロゴロしてる」グラビアアイドル・岸明日香と、「BBQしてる」パンサー・尾形貴弘、「中目黒にいる」バイきんぐ・小峠英二だった。まずはグラドルに、自分の写メ→寝室の写メ→枕元の写メを送らせる。そして、大久保が「手ブラ」を提案すると、それをNGとしたグラドルが、代わりに水着姿の写メを送ってくると、二宮はその画像に見入っている後藤の横顔を撮影。すかさずその画像をLINEに投稿して、「すごい見てますね」と一言添える。さらに、放置プレイ中の小峠が「こっちも早くいじってもらっていいですか?」とこぼすと、後藤がLINEで一言。
「まだ、いじってもらえないなんて、何て日だ!」
それに対し、小峠が「何で先に言うんですか!」とコメントしてからの二宮の攻撃がスゴイ。
(ニノ)「じゃあ、言っていいですよ。」
(ニノ)「ほら。」
(ニノ)「早く。」
(ニノ)「どうぞ。」
(ニノ)「ねえ。」
(ニノ)「ほらほら!」
この怒涛の攻めに対し、おそらく小峠が一生懸命に例の一発ギャグを入力しているだろうとき、またしても二宮の無情さが炸裂する。
(ニノ)「なんて日だ!!」
この流れに、だいぶ遅れて小峠がやっと打てたコメントは、「何もかもが早いんですよ!」だった。そう、二宮は本当に何もかもが早い(速い)のだ。
これを見て思い出されるのは、『Dの嵐!』(同)で二宮が大野智と2人で挑戦していた「逆回転」だ。日常のさまざまな動きを逆から行い、映像を逆回しにしてみるという企画だが、最初の壁になったのは「言葉の逆読み」だった。
言葉は、母音と子音のつながりでできており、例えば「コマネチ」の場合、ひらがなを単純に逆にすると「チネマコ」だが、これでは逆回転のときに「コマネチ」と聞こえない。ローマ字にして(komaneti)逆さに読む「いてなもこ」にしないとダメなのだ。そんな「理屈」はわかっても、簡単にできるものではないのに、二宮は自然に上達し、フツウに「逆読み」ができるようになっていった。この人の頭はどうなっているんだろうと、不思議に思ったものだ。
また、映画『ジャニーズ・フィルム・フェスタ2013』の中で、二宮が芝居について語った内容も衝撃的だった。
「台本は自分が出ないところは読まない」「セリフは帰りに覚えちゃう。撮影の帰りの移動の車の中とか」というだけでもスゴイが、フツウの頭じゃないと確信したのは、次の言葉だ。
「(台本は)正しい日本語で、しっかりしてるわけでしょ、起承転結が。それを1回バラバラにしちゃう。あるときは、倒置法を使ってみたり、あるときは、無駄な言葉を、こんな入れるかってくらい入れてみたり、とか。(台本には)隙がない。その隙のないところに隙を入れる、隙を作っていくっていうのを、一番大事にしてるかな、たぶん」
二宮は、言葉をいったん頭に入れてパーツに分解し、そのパーツを、まるでテトリスをするように隙間に入れたり、組み替えたりしていく作業を瞬時に行っているのだろう。そう思うと、言葉の逆読みができるのも、同じ理屈かもしれないし、LINEなどの反応が異常に速いのも共通していそうな気がする。
一般に、情報処理速度は10代後半~20代前半などの若いときが優れているはずなのに、30代でもまったく衰えを見せない二宮和也の速さ。おなかぽっちゃり中年体型になってもなお変わらない「小僧」感も、こうした頭の回転の速さが影響しているのかも。
(田幸和歌子)