保育園開業から3年、「選んで入る認可外」という新ジャンルを確立
保育園をオープンして3年がたちました。プライベートでは娘の小学校お受験、入学、自宅売却、新居購入……があったせいか、あっという間に過ぎていきました。お受験だけは、自分ではどうにもならない世界というか、選んでもらう立場なので、ストレスはMAXでしたけど。夜中12時ジャストに郵便局へ願書を持っていったのが正解だったかは永遠の謎。そうすると願いが叶うという都市伝説に引っかかったのでしょうか。今は家族仲よく、仕事をしている日々です。
休みの日は、婿が釣りに行っている間、娘と神社やお寺に行ったりしています。11月の連休は2人で京都に旅行する予定。娘とスピなことができるようになって、ほんとうれしい。小学校に入りぐっとお姉ちゃんになってしまい、このまま止まってほしい気分です。いつから親より友逹を優先してしまうのかな? 考えただけで寂しいですよ。娘なりに父親と母親をうまく使い分けていて、「お父さんはプールとか一緒にする人」「お母さんは買い物とか、おいしいものを食べ歩く人」なんだとか。娘に「なにしてるのが好き?」と聞くと、「ゆっくりしてる時」と言います。新しいことばかりの学校生活で疲れているのですね。
学校のクラスでは、夏休みにハワイに行った子は21人中3人いたそうです。羨ましがることもなく、話題は終わったみたいでよかった(笑)。この間、父母会に行ったら、任意の自由研究が展示されていました。パチンコ(というよりスマートボール?)を作った男の子、戦車を作った男の子……どの家庭も力を入れていましたね。ショッピングセンターで夏季だけ売っている“自由研究宿題用グッズ”とは違い、オリジナリティがありレベルが高いです。うちは保育園なので、その手の製作の本はたくさん持っていますが、娘は機織りの1つ「さをり織り」の体験をすることにしました。浅草に行った時、イベントで「さをり織り」を行っていて、「教室で体験できます」というので、別日に行ってきました。わざわざ宿題のネタを探すというより、たまたま「やってみたい!」というので、それを自由研究として出しただけなのですが、5時間黙々と織り続けて、楽しかったみたいです。
■「保育園からお受験」という方も増えました
3年たった保育園は、このコラムの影響か、「共働きでお受験」という人がものすごく増えました。このコラムを読んで、園のホームページを見て、見学に来て、入園してくださる方ばかりなので、大変うれしく思います。認可に外れた人の集まる園ではなく、「選んで入る認可外」という新ジャンルを作ったと自負しています。実際、認可も見学して、違いがわかって来てくれた人も。ありがたいことに27年度の募集はすぐにいっぱいになり、いまは28年度入園の申し込みを受け付けています。
保育園の事故や事件のニュースで、「認可外保育園で……」と聞くと、「認可外保育園は保育の質や環境が悪い」といった印象を持たれるのがイヤですよ。認可より、1人あたりのスペースが広く、スタッフの数も多い認可外だってあるんですよ! 食材は産地限定、水は水道水じゃないし、寝具は国産、おもちゃは国産か北欧です。認可外は補助がないので、1年しないで潰れるところが多いと東京都の担当の方から聞きました。どういう勝算かわかりませんが、それでも毎年、あちこちで認可外がオープンします。私は娘のために必要にかられていなかったら、保育園経営なんてリスクが大きすぎて絶対やらないし、考えもしなかったですよ。
いまは保育園と幼児教室を合わせたような感じになっちゃって、それを望んで通ってくれる子どもたちがいるので、とにかくがんばるしかないです。暇さえあれば、お受験用のペーパーを自分でやって、どこで子どもたちがわからなくなってしまったか、なにに引っかかっているのか考えています。石の上にも三年ですね。
毎日夜10時半に寝ています。自分の時間なんてありません。現在建設中の理想の棲家(だと思ってるところ)に引っ越しても、ゆっくり楽しむ前に死ぬのでしょうね。まー、お母さん孝行できるからいいか! 母は、実の娘と孫と一緒に住めることが、うれしいらしいです。
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では6歳の愛娘の子育てに奮闘中。