選手のDVを隠ぺいしたNFLに、女性ファンが公式広告の写真を加工し猛攻撃
問題の加工された広告写真だが、もとは「カバーガール」のモデルたちが各チームの色やロゴを、アイシャドウなどを使って顔に塗っているもの。「お気に入りのチームを顔につけて応援しよう!」というコンセプトの広告である。加工されたのは、レイが所属していたレイブンズのロゴを目元につけているモデルの顔写真で、左目が思いっきり殴られたようにどす赤黒く変色している。とてもリアルに加工されているため、DVの恐ろしさがわかるものとなっており、またモデルが微笑んでいるのも、DV男から逃げられない共依存症とウワサされるレイの妻を彷彿させる。
加工写真には、NFLのコミッショナー、ロジャー・グッデルを批判する「GoodellMustGo(グッデルは辞任しろ)」「BoycottNFL(NFLをボイコットしよう)」「ViolenceIsViolence(暴力は暴力だ)」「domesticviolence(DV)」などのハッシュタグがつけられ、Twitterやインスタグラム、Facebookなどで瞬く間に拡散。DV男をかばい続けてきたNFLを徹底的に叩き潰せといわんばかりのバッシングが巻き起こっている。
この加工写真。米大手新聞紙「USAトゥデイ」によると、女性ジャーナリストのアデル・スタンが広告写真の左目下を黒く塗ってTwitterに掲載したのが始まりとのこと。アデルは、「カバーガールはNFLの公式ビューティー・スポンサーなのね。みんなで、グッデルは辞任しろって言いましょうよ!」とツイートし、このアイデアをもとに、さらにリアルなDV加工写真が作られたのだという。
「カバーガール」はこの展開に16日、「我々のブランドは常に女性を応援し、女性のエンパワーメントのために尽くしてきました。カバーガールは、DVを断固として許さないという信念を持っています。我々は8,000万人を超える女性アメフトファンのために広告を作りました。今回の事件を受けて、NFLにはDV問題について真剣に取り組むよう提言しています」という声明を発表。DVには断固反対しているという立場を表明し、とばっちりを回避しようと必死に「女性の味方」アピールをした。
NFLのDV対応の悪さは、実は今も続いている。先週からスタートしたNFLの新シーズンのテレビ生中継のオープニング・テーマソングに採用していたリアーナの曲「Run This Town」を、放送局のCBSが急遽却下。「クリス・ブラウンにDVされたリアーナの曲だから、イメージが悪いってこと!?」「NFLからの圧力なんでしょ!」という声が殺到し、CBSはリアーナに「やっぱり曲を使わせてほしい」とリクエスト。リアーナはぶち切れ、Twitterに「ファック・ユー!」という怒りのメッセージを投稿。その後、「そもそもアタシの曲を使ってもいいなんて許可、出してないけど!」と暴露し、NFLとCBSはさらなる批判を浴びることになったのだ。
レイは解雇という社会的処分を受けたが、まだまだ男尊女卑が根強いとされるスポーツ界。DV対応のレクチャー実施など、抜本的な改革を求める声は少なくない。