カニエ・ウェスト、コンサート中に車イスの観客に向かって「立て!」と恫喝
2002年に自損事故で瀕死の重傷を負ったのを機に、ラッパーとしての活動を開始し、一躍スターダムを駆け上がったカニエ・ウェスト。ラッパー、プロデューサー、デザイナーなど、マルチな才能の持ち主として世界にその名をとどろかせているが、彼のことを「傲慢だ」と嫌うアンチも多い。しかし、どんなに陰口を叩かれてもブレることのないカニエは、13年にイエス・キリストの“ジーザス”と自分のニックネーム“イージー”を掛けた『イーザス』というタイトルのアルバムを発表。「ラップは新しいロックだ。そしてオレは惑星一のロックスターだ」と公言するようになった。「オレはルイ・ヴィトンより強い影響力を持つ」「アメリカ連合国の国旗はオレの国旗だ」「(妻の)キム・カーダシアンはミッシェル・オバマ大統領夫人よりもすごい」などトンデモ発言を繰り返し、メディアから批判されると、「オレは神から与えられた使命を遂行しているだけ」と熱弁。豪然たる態度で人を見下すにもほどがあると、アンチの数は日に日に増え続けている。
一方で硬派な生き方やアーティストとしての才能に心酔するファンは多い。『イーザス』はほとんどプロモーションをしなかったにもかかわらず、発売初週に32万枚以上を売り上げ、全米チャート初登場1位を堂々獲得。昨年10月にスタートした『The Yeezus Tour』チケットの売れ行きも好調。バッシングされながらも、根強い人気を誇っているのである。
そんなカニエは今月初めから、『The Yeezus Tour』のラスト7公演を行うため、オーストラリアに滞在していた。メルボルンで激しい片頭痛に襲われ、緊急救命室で検査と治療を受けるという騒動もあったが、同行していた妻キムや愛娘ノース・ウエストの癒やしもあってか、すぐに回復。同市でのコンサートもそつなくこなし、次のコンサート地のシドニーに移動した。そのシドニーでのコンサートで、カニエの信じられないような発言が飛び出したのである。
米大手ニュース番組『ABCニュース』によると、12日にシドニーで開催された『The Yeezus Tour』のコンサートで、「Good Life」をパフォーマンスしていたカニエが突然ラップを中断し、「会場のエネルギーがひどい」と憤慨。「みんな立て! 立つまでオレはやんないぞ」と言い放った。
会場には車イスの観客が2人おり、もちろんこの2人は立つことができなかったのだが、カニエは彼らをニラみつけながら1~2分と待ち続けたとのこと。そして、「文字通り、まだ2人立ってない」と大声で言い、会場からは「立て! 立て!」コールが巻き起こった。このことに耐えられなくなった車イス観客の1人は、義肢を掲げて振り回し「立つことができない」とアピール。カニエから免除を得たのだが、もう1人は何のアピールもできずに座り続けるしかなかった。屈辱的な気持ちであっただろうその車イスの観客に向かってカニエは、「曲を始めるのに、こんなに待たされるのは初めてだ」「信じられないよ」と冷たく言い、「本当に車イスを使ってるっていうならいいけど」と、スタッフに確認するよう指示。本当に車イスに座っていることを知らされた後、謝罪の言葉もなく、何事もなかったように「Good Life」のパフォーマンスを再開した。
この報道に、ネット上ではカニエを非難する声が殺到。「言葉による暴力だ!」「オレのコンサート来れてラッキーだと思ってるんだろうが、コンサートに来てもらっているお前の方がラッキーなんだぜ!」「本当にゴミみたいな男だ」と激しいバッシングの声が飛び交った。