SMAP・木村拓哉「駆け落ちしたい男性3位」に見た、新たな“キムタク像”の可能性
上戸彩主演の不倫ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち』(フジテレビ系)や、仲間由紀恵演じる葉山蓮子の駆け落ちが中盤のクライマックスになった『花子とアン』(NHK)などの影響かもしれないが、8月29日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)で、「この人とかけ落ちしてみたい(はあと)男性芸能人」という街頭アンケート企画が放送された。
アンケート対象となったのは、35歳以上の女性。まず最初に10位にランクインしたのは、嵐・松本潤。『花より男子』(TBS系)のクライマックスでヒロインのつくしを奪い去っていくイメージが今もあるし、確かに松潤とかけ落ちは似合う気がする。
8位は佐藤浩市、7位に向井理など、人気がありそうな俳優・タレントが並ぶ中、やはり『昼顔』効果か、斉藤工が4位にランクイン。そして3位は木村拓哉、2位が近年は肉体美で魅了する西島秀俊。そして1位は安定の福山雅治という、納得の上位陣。ちなみにジャニーズタレントでランクインしたのは、松潤とキムタクの2人だけだ。
VTR中、アンケートのコメントが流されるのだが、キムタクを選んだ人たちは、
「やっぱりいつまでもカッコいいじゃないですか。カリスマ性があるというか」
「役者でもありアイドルでもあり、天才的なすごくいいものをもってると思います」
「もう、カッコいいの一言ですね。全てパーフェクト!」
と、みなさんときめいている。なかでも秀逸だったのが、70歳のおばちゃんだ。
「やっぱり駆け落ちっていうのは、お金がね、乏しいからね。四畳半の一間の部屋でね、密かにね、生活したいです」
キムタクとの妄想同棲が始まってしまった。このおばちゃん、脳内設定がちゃんとあるようで、「テーブルがなかったら、リンゴの箱を持ってきてね、それを台にしてね、お茶碗2つ買ってね」と、キムタクとの慎ましく幸せな生活を語ってくれる。おばちゃんの妄想はまだ続く。
「ラーメンもいいですね」
「丼鉢1つ買うてきてね。箸は2膳あって半分ずつ。『あんた先に食べて。残りを私が食べるから』って言うてね」
演歌か四畳半フォークの世界だ。爆発するおばちゃんの妄想力。
「今はもう、机買うよりもリンゴ箱調達するのが難しいですよね」
と、VTRを見た森永卓郎がもっともなことを言っていた。だがこれ、実はアリなんじゃないかと思う。というか、見たい。許されない愛のために逃避行するキムタク(相手はおばちゃん)。そして、ボロアパートで鍋でインスタントラーメンを作って「できたよ〜」と、1つの鍋をつつき合う2人。
90年代からずっとカッコよく走り続け、現在も『HERO』(フジテレビ系)で13年前と同じく検事役をカッコよく演じるなど活躍が続く。しかし、このおばちゃんの妄想のような“キムタク像”というのも、また新たな可能性を秘めているのではないだろうか。
『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』(フジテレビ系)のときに、エリートから転落しホームレス化した役を演じたが、それもやはり“キムタクワールド”の中での貧乏くささで、やっぱりちょっとカッコよかった。
相手役も香里奈とかでなく、もっと普通感があって、年もだいぶ上のおばあちゃんであることが重要だ。相手が年上であっても、カッコよくて優しいキムタク。『ミヤネ屋』のVTRを見るかぎりでは、年上からの支持がわりとありそうだったし、いろんな可能性を秘めているような気もする。
「キムタクと、かけ落ちしたいわぁ〜」
という言葉を胸に、目指せ、おばあちゃんアイドル。
(太田サトル)