テレビ関係者&制作スタッフに聞いた! 『24時間テレビ』についてどう思ってますか?
いよいよ今週末に迫った『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)。1978年にスタートしてから今年で37回目、「偽善だ」「ヤラセだ」などと毎回叩かれながらも注目を集める日本の夏の風物詩だ。
「番組スタート当初は、メインテーマにも『寝たきり老人にお風呂を!』『障害者に社会参加を!』『アフリカ飢餓緊急援助!』といったようにダイレクトに響く言葉が据えられていました。また、今では恒例となっているチャリティマラソンもありませんでした。しかし1991年、6.6%(ビデオリサーチ、関東調べ/以下同)という最低視聴率を出してしまったことで翌年92年から『視聴率優先』主義に完全スイッチ。メインテーマも『愛の歌声は地球を救う』と完全に歌番組に様変わり。さらに、ダウンタウンといった当時の人気タレントを番組パーソナリティに抜擢し、また24時間のチャリティマラソンを番組の通し企画にしたことで視聴率はV字回復、17.2%を記録しました」(テレビ関係者)
以後は毎年悪くても11%は獲得し、これまでの最高視聴率はSMAPの草なぎ剛と香取慎吾がメインパーソナリティを務めた2005年の19.0%。企業にとってもスポンサーイメージも良いため広告料も出しやすく、「総製作費40億円という話もある」(先の関係者)という、まさに日テレのドル箱番組なのだ。
そんな『24時間テレビ』は、業界人にとってどんな位置にあるのだろうか。
「日テレに出入りしている制作者にとっては、一度はやってみたい番組の1つになっています。歌手が『NHK紅白歌合戦』に出て親族が喜ぶのと同様、テレビマンにとってみたら、功罪はともかく『24時間テレビ』のスタッフとして名を連ねるのは誇りなんです」(同)
『24時間テレビ』の内容は大体1年前から話し合われるという。つまり、その年の『24時間テレビ』が終わった直後から翌年の構想が練られ始めるのである。ただ、その話し合いに関わるのはごく少数、トップの人間が集まる小規模のものだそうだ。それから次第に“24時間”のフォーマットが埋まっていくという。
「でも、そういった内容は、携わっていない人間には一切耳に入ることはありません。局の社員でさえも知らないことが多い。それほど情報漏えいには万全の注意が払われています」(同)
その最たるものがチャリティマラソンのランナーの人選。毎年のように「この人が走るのでは」とウワサになるが、本命の名前が漏れることはまずないという。
さて、最後に関係者に「エセチャリティ番組」と言われていることについてどう思うか聞いてみた。
「もうここまで商業的に膨らんでしまったビッグプロジェクトなので、個人が番組についてどうこう言う問題ではありません。あくまで、我々も仕事として請け負っていますから……。1つ言えることは、どんな批判が来ようが、この番組を見て募金をしてくれる人がいるということです。それ以下でもそれ以上でもありません」
今回は、体力的に大いに問題を抱えるTOKIO・城島茂を101km走らせるなど、早くも賛否渦巻く『24時間テレビ 愛は地球を救う』。一体どんなドラマが生まれるのだろうか。