コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み隔週報」

元AKB48の夫・アレクサンダーが、「日本一素晴らしいヒモ 」である理由とは?

2014/08/29 19:15
アレクサンダーオフィシャルサイトより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「(IKKOに)興奮しちゃった」アレクサンダー
『有吉反省会』(日本テレビ系、8月24日放送回)

 自分は働かず、女性の稼ぎに依存する男性を「ヒモ」と呼ぶことがあるが、そこには侮蔑的なニュアンスがつきまとう。「男のくせに働かないなんてだらしない」と、ヒモ夫そのものも嫌悪されるが、ヒモと一緒にいる女性も「搾取されてバカだ」と、白眼視されることはよくある。

 しかし、本当にそうだろうか。私はヨーロッパに住んでいたことがあるが、知りうる範囲での日本人女性と、現地男性カップルのヒモ率は非常に高かった。最初は異国の地で、男性にいいように利用されているのではないかと思ったが、彼女たちは皆、幸せそうだった。なぜなら、ヒモ夫がそれはもう優しいからである。送り迎えをし、おいしい食事を作り、彼女たちの有能さと美しさを毎日褒めて、セックスもたくさんする。女性は愛する者のためには、どこまでも頑張る習性を持つので、仕事にまい進する。日本人ならではの丁寧さ器用さを生かして、ネイルやエステなどを起業して成功するケースも見聞きした。

 女性に暴力を振るって無理やり働かせ、金品を搾取するヒモは、もちろんいけない。が、男性だからといって女性より稼げる保障がない現代、女性の労働意欲を駆り立て、気持ちよく働かせるヒモは、褒められるべきなのではないか。

 今、私が思う日本一素晴らしいヒモは、モデルのアレクサンダーである。妻は元AKB48の川崎希で、現在はアパレルブランドなどを経営し、成功を収めている。モデルといっても、アレクサンダーは特に仕事はなく、売れているとは言い難いロックバンドを組み、活動費も全部川崎が負担している。服や高級外車も買い与えられるなど、王道のヒモ力を発揮しているのだ。

 ヒモ力というと、アレクサンダーのように「イケメンであること」が絶対条件だと考える人もいるだろうが、実はそこはあまり重要でないと思う。というのも、アレクサンダーがほかのイケメン系タレントとは、際立って違う点を持つからである。

 バラエティ番組では、オネエや若くない女性が、嫌がる男性の体を無理やり触り、それを観客が笑うという笑いのパターンがある。これは「男性は若い女性以外に触られることを歓迎しない」という考えの元に生まれる笑いだが、そこにきてアレクサンダーは、オネエや若くない女性を否定しないのだ。

 例えばアレクサンダーは、『5時に夢中!』(TOKYO MX)の黒船特派員を務めているが、40歳独身のアシスタント・内藤聡子を「まだまだイケる」、50代半ばの女優・美保純を「お尻のラインがすげ~いい」と女性として褒めることを忘れない。

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