谷村新司ら大御所ほどノリノリ? ジャニーズを見る共演アーティストたちの温度差
今回は、ジャニーズタレントと音楽番組で共演するアーティストたちのさまざまな「表情」についてツッコませていただきたい。
かつてはDA PUMPやw‐inds.など、「ジャニーズ側からの圧力によって、共演NG」とうわさされる人たちがいたし、今は「SMAPとAKB48が仲良すぎ」「飯島班(SMAP、Kis‐My‐Ft2、Sexy Zone、A.B.C‐Zなど)とAKB48 グループの癒着がスゴイ」といったことがたびたびネット上で話題になる。これらは事務所の事情やお付き合いによるものだが、音楽番組を見ていて気になってしまうのは、むしろ「個人の感情」が見える場面だ。
かつてはネット上でSMAP・木村拓哉と福山雅治が「仲が悪い」とうわさされたが、こうした大物同士以外にも、見ていて気になる人はいる。まず、ネット上では「日本一美しいジャニヲタ」とも言われる、乃木坂46の人気メンバー・白石麻衣。ジャニーズと共演する際の、うっすら頬を赤らめ、うれしそうな笑顔は可愛らしいが、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)などでは心なしか席を遠ざけられているようにも見える。
また、ファンに対しては「塩対応」と言われる“ぱるる”ことAKB48・島崎遥香は、Hey!Say!JUMP・山田涼介ファンと言われており、共演時にはいつになく笑顔が多いことがネット上で指摘されている。Perfumeのあ~ちゃんなんかも、いつもキャピキャピ、ミーハーパワーで盛り上げてくれる印象がある。また、そうした個人的な思惑とは別に、温かいのは、ゴールデンボンバー。本人たちのキャラありきだろうが、積極的にノッてくれるのが常だ。
そして、ジャニーズに限らず、全方位に温かいのは、ポルノグラフィティ。いつでも、どんな番組にでも出演し、誰の曲にもノッてくれる様子は、気さく感満載。なんなら、人数合わせの飲み会にすら、頼まれたら来てくれそうなほど、大らかに見える。逆に、ジャニーズに対して、北風のように冷たい印象なのが、いきものがかりだ。『ミュージックステーション』などで共演する際も、たいてい無表情で、冷たい風が吹いているが、一番怖いのは、ジャニーズタレントが司会をするようなスペシャル音楽番組に出たとき。
ファンが曲中によくやる「キャーッキャーッ」&「両腕を上にあげて、大きく左右に振る」ような古臭い振りは、おそらくファンクラブなどから強要されている行為であり、ファン自身にとっても、ジャニーズのタレントにとっても、つらく寒い苦行だと思う。でも、声援を送る方にも送られる方にも、「求められた役割」を演じる必要がある。そんな空気の中、共演者たちもみんな“お義理”でノッてくれる状況下で、そこだけ別世界のように微動だにせず、無表情でい続けられる「いきものがかり」はスゴイ。
そして、申し訳なくなるほど温かい対応をしてくれるのが、大御所たちだ。例えば、かつて『1番ソングSHOW』(日本テレビ系)にHey!Say!JUMPが出演したとき。谷村新司、加藤登紀子、南こうせつ、槇原敬之など、歌のうまい人ばかりが出演していたにもかかわらず、まだ若い彼らのパフォーマンスをノリノリで見てくれ、終了後には全員ハイタッチで迎えてくれていた。さらに、南こうせつは「来てよかった~」とまで言って盛り上げてくれていた。
若輩者のグループを見下さず、サービス精神たっぷりに盛り上げてくれる「格上」感。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とは言うけれど、大御所ほど誰にでも寛容なのは、どの世界でも共通しているのだろう。ドラマに出れば、「ジャニタレのドラマはイラネ」と言われ、歌番組に出れば「ジャニーズの曲とか、うんざり」と言われ、世間からの風当たりが強いジャニーズ。それだけに、共演者たちの「表情」の意味をチェックしている人は、実は結構いる気がするのだ。
(田幸和歌子)