「CLASSY.」から「VERY」に受け継がれる、「ママって素敵」の言説
コンサバ女たちが“こなれ”という大海原で迷ったときの地図、それが「CLASSY.」。今号の特集は「海を感じるカジュアルがいまの気分!」です。“海を感じるカジュアル”といっても、もちろん日本海の荒波に大漁旗で兄弟船系ゴム長ルックではございませんよ。「Tシャツ、ボーダー、カットソー、ショーパン、リネンスカート、トングサンダル…真夏に活躍するアイテムって、ヘルシーで、見た目が涼しげで、リラックス感のある、そんな“海っぽい”ものばかりだと思いませんか?」とは「CLASSY.」の弁。そりゃまぁ暑いですからね……とか野暮なツッコミはナシ。「いまの気分!」と言われたら問答無用で従うのが、女性誌の鉄の掟でございます。
特集の頭には、おしゃれセレブに近づくための必須ショップ、ロンハーマンをたっぷりと紹介。「私はボディボード、主人と息子はサーフィンが趣味。家族のライフスタイルとロンハーマンの持つ西海岸風の雰囲気やセレクトがマッチするので」「フランク&アイリーンのシャツやブランドの靴やバッグを見にお買い物に行きます」とモデルやスタイリスト、ライターたちが“我こそがロンハーマンの達人”とおしゃれ舌戦を繰り広げていますが、ちょっと待って! ロンハーマンを愛するおしゃれセレブといえば谷亮子だから!! “YAWARAちゃんのお気に入りショップ”という記述がまったく見つからなかったので勝手に補足させていただきつつ、今号のラインナップを。
<トピックス>
◎海を感じるカジュアルがいまの気分!
◎「OCEANSな彼」とデートがしたい!
◎CLASSY.世代が“子どもを持つ”ということ
■ついに「CLASSY.」女子が背景と同化した!
さて、前号のレビューでは、「CLASSY.」が彼の趣味ににじり寄ったカジュアルを推奨している、いわゆる“「CLASSY.」女子のカメレオン化”をお知らせしました。いよいよ今号ではカメレオン化がガチなレベルに到達しています。それが「真夏に映える“海配色”コーディネート」。「快晴のブルー、サンセットのオレンジ…自然をヒントにすればうまくいく」ということですが、例えば快晴の海には「海=ブルー」「雲=白」「砂浜=ベージュ」を取り入れたファッションを提唱。青いシャツにホワイトデニム、足元はベージュのスニーカー。これくらいは想定内ですが、「くもりの海」には「どんよりとした雲のグレー、湿気を含んだ植物のカーキ、スモーキーな海の水色」、「サンセットの海」は「早朝の海」は「夜の海」は……と、あらゆる環境、状況、気象条件に対応しなきゃいけないよう。「夜の海は、どこまでも深いネイビーと黒が主役です。空に輝く星や月を表す明るい白は、凛とした雰囲気」など、ロマンティックな言いがかりじゃないですか。このままではどんどん背景と同化して「CLASSY.女子を探せ」になりかねません。
「海に似合う」から「海そのものになれ」とは酷な話ですが、それもこれも元々は「コンサバダサい」「キメキメ怖い」ということを言い出した男性諸氏に原因があるのです。イイ男と結婚するためなら、電信柱にだって同化できるのが「CLASSY.」女子。そんな恋に盲目な「CLASSY.」女子を熱くさせる“イイ男”とは一体――その答えは「『OCEANSな彼』とデートがしたい!」にありました。趣味はサーフィンやサッカー、休日は青山界隈や六本木のセレクトショップでお買い物、旅行に行くならハワイか軽井沢……まるでコントのようなイイ男こそ「OCEANSな彼」です。男性ファッション誌「OCEANS」(インターナショナル・ラグジュアリー・メディア)を愛読し、仕事はバリバリ、休日は思いっきり趣味を楽しむ男のことを指すよう。「(OCEANSの)創刊以来変わらない“気持ちがいい”というキーワードは、まさにCLASSY.的“頑張らない”オシャレに通じるもの」って、めっちゃ頑張ってこなれてるクセに!