有岡大貴&増田貴久の“オタクホイホイ”競演で見えた、ファン受けと一般層人気の重複点
今回、ツッコませていただくのは、オタク心を理解しすぎている『ヒルナンデス!』(7月29日放送分、日本テレビ系)が貪欲に仕掛けてきた、「最強オタクホイホイホイ兄弟」NEWS・増田貴久&Hey!Say!JUMP・有岡大貴の夢の競演。
もちろんこの2人、実の兄弟じゃない。でも、ふわふわした空気&丸顔・童顔&笑顔の2人が並ぶと、体格差はあるものの、あまりに雰囲気が似ていて、ネット上には「兄弟みたい♪」「2人がふわふわで可愛すぎる!」といった声が続出していたのだ。なにせ、餃子棒を口いっぱいに頬張り、もぐもぐして食レポどころじゃなくなってしまうまっすーに、オリエンタルラジオ・中田敦彦が「有岡くんとDNA似てる」という鋭い指摘を放っていたほどの類似性だ。
中田と、西村和彦とともに2人が競演したのは、「高速道路SAでのイケメン対決」。まず登場したのは、両まぶたに球体のボールのようなオモチャを貼り付けて登場した有岡。だが、登場時に片目のオモチャは剥がれ落ちている残念な状況で、「目の筋肉が足りなかった。ファンの人たちからも、安定の八乙女、不安定の有岡と言われる」と自虐ネタを放つ。
対するまっすーは、両目にばっちりオモチャを貼り付けて、得意げに登場。こうしてみると、なんかヘンな貫録がある。その後も、西村と有岡の「揉め事」ネタをイケメン顔(!)のバッチリカメラ目線で仲裁してみせたり、手のひらに乗せたポップコーンを高速で吸い込む「人間バキューム」を披露したりと、見事にどうでもいい感じの格上感を漂わせる。
有岡の方は、イケメンのランク付けを任された一般人へのPRとしてけん玉に挑戦するも案の定失敗し、中田がPRに似顔絵を描いている間もけん玉を勝手に続け、成功すると「越水さん!(イケメンジャッジを託されている女性の名前)」と思わず大喜びで報告してしまう、自由すぎる子どもっぷりを炸裂させていた。さらに、まっすーが第3・第4話にゲスト出演する『金田一少年の事件簿N』の番宣をきっちりしていたが、その間もレギュラー出演中の有岡はなぜかソワソワキョロキョロ、下がり眉の不安げな顔。
しっかり者のお兄ちゃんと、何をしたらよいかわからずくっついている弟のようである。思えば、2月末にこの2人の共通点について取り上げたが、あの時点では、5カ月後に、まさか有岡が『ヒルナンデス!』レギュラーとして、主婦の間で大人気になるとは思わなかったし、さらにキャラかぶりのまっすーと「兄弟競演」することになるとも思わなかった。そして驚くのは、本来、「知名度はいまひとつなのに、オタク人気だけが異常に高い」はずだった2人に、一般視聴者たちも沸いていたこと。「オタク心」と、一般視聴者の「母性本能」との重なり合う地点に、まっすーや有岡、さらに嵐の相葉雅紀あたりがすっぽりハマるのだろうか。
実は先輩・まっすーの方は、結構ぶっとんでいたり、あざとかったりするのだが、仕上がりは「ふわふわ」。有岡は、あざとく見えるところもありつつ、実際はかなり天然で、失敗するとすぐ赤面するし、素の状態のときはソワソワしていつも困った顔をしている。
何しろ彼らが最強なのは、特別に美しい容姿や、高いスキルで魅了するわけでもなく(まっすーは歌はうまいが)、「本気でババ抜きをして負けただけでマジ泣き」(フジテレビ系『VS嵐』の相葉雅紀)したり、ポップコーンを素早く吸い込んだり、けん玉を偶然成功させてはしゃいだりするだけで、無条件に女性たちに「可愛い~~~♪」と絶賛されてしまうこと。
これって、ただ笑っただけ、立っただけ、何かを食べただけでキャアキャア言わせる赤ん坊スキルと限りなく近い気もする。いい大人なのに、ときには自分よりだいぶ年少の女性すらお母さん・オババにさせてしまう天然系の魅力。実は努力で得られない最強の武器かも。
(田幸和歌子)