介護士が語る「お年寄りが好きな、意外なテレビ番組」とは?
東京オリンピックが開催される2020年には、日本国民の約4人に1人が65歳以上の高齢者だと言われている(国立社会保障・人口問題研究所の推計による)。そんな超高齢化社会が進んでいる中、こうした層に受け入れられている番組は何なのだろうか。
都内の介護施設に勤め、普段から70~80歳以上の高齢者の世話をしている介護士に実際に話を聞いてみると、まず真っ先に挙がったのは、少し意外なスポーツ系のあの2番組だ。
「『SASUKE』(TBS系)はよく見てますよ。あと『VS嵐』(フジテレビ系)。体を張って何かに挑戦するとか、少しハラハラドキドキする方が、刺激になるみたいです」
さらに、『関口宏の東京フレンドパークII』(TBS系)が放送されていた頃は「それもよく見ていた」(同)という。こうしたチャレンジ系の番組を、高齢者はあまり見ないと素人の先入観で思っていたが、実際はそうではなかったようだ。ほかのバラエティはどうだろうか。
「『ぴったんこカンカン』(TBS系)も人気です。お年寄りは『ためしてガッテン』(NHK)などを見ているイメージがあるようですが、見ていませんね。もう少し若ければ見るのかもしれませんが、自分の今の生活に役立ちそうにない情報は受け付けないのかもしれません」(同)
では、ドラマでは、どんなものが好まれているのだろうか。
「朝の時間帯は、どの居室もNHKがついていることが多いせいか、朝ドラはほぼ皆さん見てますね。『前の方が面白かった』などと、いろいろな感想を聞きます。あとは、連ドラでも基本1話完結のドラマ。例えば『相棒』(テレビ朝日系)も意外と見てますよ。以前であれば『水戸黄門』(TBS系)とかね。ただ2時間ドラマはしんどいのか、見る人は少ないですね」
大規模な統計を取るとまた違った結果が出てくるのかもしれないが、なんとなく掴みどころのない視聴傾向。高齢者に支持されるテレビ番組こそが、今後を勝ち抜く勝因だと思うのだが……。