サッカー米代表GKティム・ハワード、人気過熱で『ジョーズ』『バンビ』を使ったコラ画像祭りに!
現在開催中のFIFAワールドカップ。決勝トーナメント1回戦の対ベルギー戦で敗退したものの、闘志を燃やし素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたアメリカ代表チーム。オバマ大統領が、「サッカーワールドカップにアメリカが国全体で夢中になったのは、今大会が初めて」というほどアメリカサポーターの応援は熱心で、その様子は世界中で報じられた。ベスト8入りは逃したものの、劣勢の中で好守を連発したゴールキーパーのティム・ハワードは“国のヒーロー”に祭り上げられ、ゴールを守るティムを使ったコラ画像がネットで大流行。「ティム・ハワードが守れるもの!」シリーズとして爆発的な人気を集めている。
長年、アメリカでは、MLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)が4大スポーツとして絶大なる人気を誇り、MLS(サッカー)は蚊帳の外状態。アメリカはサッカー不毛の地とまで言われていた。しかし、サッカー経験者のアメリカ人は意外と多い。“サッカーマム”と呼ばれる教育熱心な母親たちが、「サッカーはチームスポーツで、高い協調性が養える」「社会に出てからの人間関係に役立つ」と子どもにサッカーを習わせており、中流層にとっては親しみのあるスポーツなのである。
1996年に設立されたMLSは長らく人気が出なかったが、彼らは焦ることなく、2022年に世界のトップリーグの仲間入りという中長期的な目標を掲げ、まず経営基盤への投資をしてきた。ある程度の儲けが出てきたところで、「ヒーロー的な選手さえいれば爆発的な人気が出る」と、各クラブともにデビッド・ベッカムやジャーメイン・デフォーら海外の有名選手と契約を結び、観客動員数を飛躍的に伸ばした。現在、MLSの平均観客動員数は世界8位(Jリーグは世界12位)。ヨーロッパや中南米のビッグクラブが毎夏にアメリカを訪れて試合を行うなど、ここ数年でアメリカのサッカー人気はぐんぐん高まっているのだ。
そんな中、迎えた今大会。アメリカ人が今回特に応援したのが、どんなに苦しい状況下でも、必死にゴールを守り続けたゴールキーパーのティムだ。191cm、88kg、35歳のティムは黒人と白人のミックスで、2000年のシドニーオリンピックにU‐23アメリカ代表として出場し、その後スランプに陥ったが見事復活。9シーズンにわたり、イングランド・プレミアリーグの「エヴァートン」でゴールキーパーを務めている。
アメリカ代表チームは、前回のW杯に引き続き、本大会も大奮闘。対ベルギー戦では、38本のシュートを浴びながら2失点に抑えた。このうち16本をセーブしたのは、1966年大会以降、1試合における最高記録。ティムは、予選リーグの対ポルトガル戦に続き、この試合でも「マン・オブ・ザ・マッチ」に選出され、アメリカ人は「真のヒーロー」だと大絶賛。オバマ大統領は代表チームに電話をかけて、ティムと主将に「素晴らしかった」と賛辞を贈り、チームをホワイトハウスに招待すると発表。メディアは、チームのヒーローであるティムの特集を組み、全米で、ハワード・フィーバーが巻き起こっている。
そんなティムは、アメリカのインターネットでも時の人となっており、必死でゴールを守るティムを使ったコラ画像がネットで大流行。「ティム・ハワードが守れるもの!」シリーズとして爆発的な人気を集めているのだ。