「ノーメイクでどれだけ男を食えるか」34年間スッピンの女が、化粧を始めた意外なワケ
センパイが化粧をし始めたのは、去年の秋から、「離婚してから」らしい。それまでも会社の男性から「化粧しろ」とは言われていたが、「ありのままパワー」 で跳ね返せていた。しかし、離婚騒動後、鏡を見ると、疲れた顔面にクスミやクマが……。「自分に自信がなくなって、人の目を見て話せなくなった」そうな。そして会社の40~50代の化粧をしない女性社員を見て、ありのままのシミやクマを他人に見せていることに「ああいうふうになりたいのかな?」と、疑問を感じたようだ。環境の変化による、心境の変化。若い頃の「ありのまま」が、男性に対してのものだったのが、離婚をへて独り身となり、自分のために化粧を始めたということだろうか。
ちなみにセンパイは、化粧をしてから「スカートをはくようにもなった」ようだ。そういえば、いつもジーパンだったね。スカートは制服以来、ほとんどはいたことがなかったらしい。「母親がズボンしか買ってくれなかったんですよね。3人姉妹の長女だったからか、親から長男のポジションを期待されていたような気がするんです。『かわいい』よりも『頭がいい』とホメられていたし……」と語るセンパイの言葉に、やはり姉妹の姉であるJ子が「それ、わかります!」と激しく同意している。私は姉がいるので、次女ポジションなのだが、親の「理想の子ども像」と闘いながら自分の人生を切り開いてゆく姉を見て「長女って、ブルドーザーみたいだなあ」と思っていた。そうか、2人とも「親の呪い」もモロかぶりしてたのね。それは大変だ☆
「もちろん、私自身も『女の子っぽいから』とホメられるよりも、『人として』ホメられる方がうれしいです」というセンパイは、確かに「兄貴感」がある(ゲイウケもすごくいい)。そして「『周りの女の子と違う私』っていうのが好きだったんですよね」と恥ずかしそうに語ってくれたが、それは自我強めな人種の青春時代には、男女問わずあることだろう。それを照れるということは、大人になったのだ。肌もくすむようになっちゃうのだけど……。
■「アイテムが多い」女の快楽と苦しみ
こうして、化粧をして、スカートをはくようになったセンパイ。ファンデーションとチークだけなので、私から見て「変わった!」という印象はない。しかし、 センパイ自身は「人の目を見て話せるようになった」らしい。そして、「今まで違うタイプだと思っていた女たちとつながっているような気持ちになれた」そうだ。なんだかうれしくなってしまう話だ。