「それでも日本はおいしい市場」マルハン撤退、相次ぐ閉店……新大久保と韓流終焉の今
「完全に韓流ブームは終わってしまいましたね。現在でも、東方神起やBIGBANGなどはドームツアーでもチケットが売り切れになるほどの人気がありますが、それ以外は散々ですよ。紅白出演を果たしたKARAもスーパーマーケットの運動会で営業したり、少女時代のコンサートチケットがオークションで500円で落札されたとの話もあります」(韓流芸能事務所関係者)
確かに、東京新大久保・コリアンタウンを歩くと、一時期のブームはなんだったのかとか思わされるほど、町並みは閑散としていた。駅前にある元祖韓流ショップの「韓流百貨店」が今年5月に倒産し、韓流ショップやコスメショップなども軒並み閉店や改装に入っていた。
「韓流ブームによって韓流ショップが増えましたが、新しいお客さんを獲得することができないまま、店の数だけが飽和状態になり、次から次へと潰れてしまったのです」(新大久保韓流ショップ店員)
ほかにも、六本木にあるアミューズが経営していた韓流ミュージカル専用劇場「アミューズ・ミュージカルシアター」も3月に閉館し、大手パチンコ店経営のマルハンが今秋に大阪で開業を目指していた韓流エンターテインメント施設も、建設途中で頓挫した。
また、現在、地上波で韓流ドラマを放送しているのはテレビ東京のみ。これには、ドラマ価格の高騰化と、放送局が買い付けたドラマの在庫処理が終了したことが原因だといわれている。
「韓流ブーム当初は、1話200万円だったドラマ価格が、2012年には最高1話4,000万まで吊り上がったという話を聞きました。高額だと放送局側も買い付けを渋りますし、なにせ、現在は嫌韓ブームのさなかですからね。大韓流ブームの時に買い占めたドラマの放送が終わったというのが、地上波ドラマ激減の理由です」(テレビ局関係者)
そして、やはりというべきか、韓流ブーム終焉の最大の理由とされるのが、韓流スターそのものにあるようだ。
「韓流スターは、日本でイベントをする時の要求が多すぎる。イベント内容そのものに対してなら、まだ我慢できますが、迎えに来る車はベンツだとか車種を指定してきます。それに、イベント終了後の“夜のお遊び店”も用意させられますからね。イベント出演料も相当な額を払わないといけないので、一番大事な舞台などにお金を掛けられず、結果、舞台が貧相になっちゃうこともあるんですから。でも一番辟易するのは、本人ではなく、本人の親が口を出してくるパターンです」(韓流イベント関係者)
各方面で韓流の終焉が決定づけられている中、しかし、彼らはいまだに日本への思いを捨てきれないのか、日本でイベントをしているグループもある。
「なんだかんだで、日本は韓流アーティストにとっておいしい市場であることは間違いありません。これだけ小さくなってしまった市場でも、そこを求めてまだデビューするグループがあるくらいなんですから」(同)
藁にもすがる思いでデビューする韓流スターたちの思いは届くのか。
(薬師寺都)