カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「nina’s」7月号

窓を開けて“風ごっこ”、旅先の空気をストロー吸引! 「nina’s」のおしゃれバイアスが狂気の沙汰

2014/06/23 18:00
「nina’s」2014年7月号(祥伝社)

 「nina’s」が前号からしれっと読者を「ニナmama」と呼び始め、ざっくりとした読者の囲い込みを始めたことはレビューでもお伝えしましたが、今号ではそんな「ニナmama」の中でも特にクリエイティブでおしゃれなママたちを「ニナmama」としてフィーチャーし始めた模様です。どっちも「ニナmama」ってわかりづら~! かつての「I love mama」(インフォレスト)のように、ママモ(専属モデル)>ラブママ24(準専属モデル)>美ママ(一般読者)と分類してくれればスッキリするというものですが、ここはほっこりおしゃれを信条とする「nina’s」。「読者に序列をつけるなんてクリエイティブじゃない」というオンリーワン志向なのでありましょう。

 では一体どんなママが「ニナmama」として誌面に登場するのか。「ニナmama緊急会議 夏、これ流行ります。」を見てみますと、ミュージシャン、フードユニット、ヘアメイクなどおなじみカタカナ職業のママたちと、「nina’s」では最もクリエイティブな職業と崇められる「主婦」ママが並んでいます。そしてお互いが持ち寄ったミランダ・カー愛用のココナッツシュガーやらオーガニックのトマト缶やらお米でできたカトラリーやらを褒め合うという、「nina’s」ファンにはゾクゾクが止まらない内容。この座談会に交じって「環境フレンドリーだね」とか「友人の展示会で一目ぼれして」とか言うことこそ、一般読者ニナmamaたちのアガリと考えて間違いなさそうです。

<トピックス>
◎ニナmama緊急会議 夏、これ流行ります。
◎特集 Happy Summerの作り方。残し方。
◎おしゃれな人の写真の撮り方、残し方。

■TUBEばりに夏に期待しすぎ

 さて今号の特集は「Happy Summerの作り方。残し方。」キャッチには「思い出に残る“夏遊びファッション”“外遊び&おうちの遊びの仕方”を大公開」とあります。導入のページには個性的なファッションに身を包み、思い思いのレジャーを楽しむクリエイティブファミリーのスナップ写真が大量投入されており、読者の夏遊びのハードルをグンと上げています。

 MEGUMI、土屋アンナ、豊田エリーを取り上げた「あの人の遊びファッションをチェック!!」では、「“Theアウトドア”なコーデにしないのが気分」「なんでも簡単に手に入る時代だけど、キャンプは“不便を与える”ことができるから、息子にとっては“学びの場”」など、物言うオシャレママ代表・MEGUMIさんがイイこと言ってますので息を止めて駆け抜けましょう。

 しかしこの企画も主演女優はMEGUMIでもアンナでもエリーでもなく、ほかならぬ「ニナmama」です。そんな「ニナmamaやニナpapaがどうやって遊んでいるのかをご紹介」しているのが、「発表!思い出に残るみんなの外遊び・おうち遊び」。このページには子どもの遊びという切り口の中に「nina’s」的価値観が盛りに盛られており、大変興味深いです。

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