カルチャー
『アナ雪』の解放感は娯楽の麻酔にすぎない
2014/06/18 20:00
このところ、猫も杓子もうるさくて仕方がないのが「ありの~ままの~自分になるの~」の歌詞でおなじみ、『Let It Go』の日本語バージョンである。
世界中で大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』の劇中歌である本楽曲は、各国の言語に翻訳されて尚愛される、世紀の流行歌として浸透した感がある。我らが日本では『ありのままで』というキーワードをベースに、抑圧からの解放や自由の獲得を前面に押し出した歌詞が多くの女性に支持されているようだ。
例によって個人的な意見を述べたい。本楽曲を嬉々として歓迎する女性が多数いる現状は、私にとっては気味が悪い。大歓迎の根拠に「ありのままで生きていない・生きられない自己」があるとするならば、個々の抱える抑圧や不自由の存在感がかえって浮き彫りになるからだ。
最終更新:2014/06/18 20:00