「あんなに売れてて、天狗にならない」編集者人気ナンバー1の超人気作家の素顔
売れっ子となった途端、傲慢になってしまったり、周囲の妬みを買い、アンチを生んでしまったりというのは、芸能界ではよくある話だが、出版業界でもそういった作家は少なくないようだ。「本は売れても作家本人の評判はよくないというのは、よくあること」(出版関係者)だというが、超売れっ子でありながら、編集者の間で評判がすこぶる良い稀有な作家も存在する。それは、数々のヒット作を世に送り出している角田光代だ。
角田は1990年に『幸福な遊戯』(福武書店)で「海燕新人文学賞」を受賞してデビュー。その後も間を空けることなく作品を発表し続け、『対岸の彼女』(文藝春秋)での直木賞をはじめ、数々の賞を受賞。『八日目の蝉』(中央公論新社)や『紙の月』(角川春樹事務所)が映画化されるなど、常に第一線を走り続けている人気作家である。文学賞選考委員としても活躍し、今や文壇でもその地位を確立させているが、なぜかアンチが生まれないというのだ。
「その秘密は、角田さんの“飲みニケーション”にあると思います。基本的に朝9時から夕方5時で仕事を終わらせる角田さんは、ほぼ毎夜、編集者や仲の良い作家たちと飲み歩く。三浦しをんさんらの作家仲間と飲めば、ほかの客にも聞こえるほどあけっぴろげに猥談に花を咲かせ、編集者と飲んでも、一切偉ぶることなく、イジりイジられで大盛り上がり。酔うと眠くなるようで、宴席ですやすや眠る姿がよく目撃されていますが、その姿が意外に可愛らしく、男性陣にも人気なんです」(同)
そんな親しみやすい人柄に加え、角田の仕事に対する姿勢も、編集者から一目置かれているという。
「酒に酔って、忘れ物や落とし物をすることはよくあるそうですが、どんなに酔っても仕事の締め切りだけは絶対に落とさない。また、エッセイ、小説、ウェブ上での連載など、どんな依頼も引き受けるのに、全てにおいてクオリティーを維持し続けていると、編集者間で称賛されています。純文学、エンタメともあのレベルで書ける作家は、今は角田さんだけでは」(別の出版関係者)
今日もどこかで書いては飲んでいるであろう角田。今後も、その活躍に期待したい。