コラム
[連載]悪女の履歴書
三角関係で同僚女性を殺害――冤罪疑惑の「恵庭OL殺人事件」、警察情報の嘘と矛盾
2014/05/31 19:00
まだまだある。
大迫のタイヤに高温で溶けた傷があったと警察は主張したが、実際には現場の状況とも一致せず、後に傷は別の原因でできた可能性が高いことも、その後の鑑定で明らかにされている。また遺体発見現場で、犯行時間に20分間も停まっていた2台の不審車両の目撃談や大迫が現場から去ったとされる時間の50分以上後に「大きな炎を見た」との目撃証言もあった。だが警察はこれを一切無視して、その後捜査もしていないのだ。この目撃者は大迫の車は見ていないという重要証言もしているが、当局はそれも隠蔽し続けた。
そして肝心の三角関係だが、当事者である同僚男性自身、一貫して「交際トラブルはあったが、被害者とは関係のないことで、いわゆる三角関係ではない。事件の数日前にも会って“肉体的接触”があった。大迫は他人と争うのが大嫌いな性格」などと証言をしているのだ。さらに大迫の周囲でも「聞き役で人の気持ちを考える人」「面倒見がいい」「明るく親切」と評判が高いのだ。
そして肝心のいやがらせ電話については、そのほとんどが躊躇してリダイヤルを押しすぐ切ったただけで、実際に坂本さんに繋がった回数は38回だけだったという。物証もなく状況証拠もズサンなものばかり。そんな捜査で大迫は逮捕されてしまったのだ。
最終更新:2019/05/21 18:52