『HERO』『GTO』『金田一少年』続編・リメイク祭りの7月ドラマ「元凶はやっぱりフジ」!?
7月クールの連続ドラマが、「なんとも奇妙なラインナップだ」と、マスコミ関係者の間で話題になっている。『HERO』『GTO』『若者たち』(いずれもフジテレビ系)、『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)、『信長のシェフ』(テレビ朝日系)と、過去のヒット作の続編・リメイクが“これでもか”と顔をそろえているのだ。
続編モノは前作からのファンを引っ張ることができ、かつ話題性もそれなりにある“安全牌”。SMAP・木村拓哉主演の『HERO』は、全話の視聴率が30%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を超え、最終回では36.8%を記録した大ヒット作。また『GTO』も、反町隆史が主演した第1シリーズが最終回で35.7%を記録し、今回も続投するEXILE・AKIRAが主演した第2シリーズでは平均視聴率14.3%と、同クールのドラマでは最高の数字だった。
さらにHey!Say!JUMP・山田涼介が4代目金田一一を演じる『金田一少年の事件簿』も、1995年にKinKi Kids・堂本剛が初代金田一を演じて平均視聴率23.9%を獲った第1シリーズから、代々ジャニーズの注目の若手が主演を引き継ぎ、そのファンを取り込んでいるキラーコンテンツだ。
この続編・リメイクだらけのラインナップには、ネット上で「守りに入っているのが丸わかり」「新鮮味がない」とひんしゅくを買っているが、業界内では「この続編・リメイクブームの戦犯はフジテレビ」という声が上がっている。ドラマ黄金期を取り戻したいフジテレビが、『ショムニ』『救命病棟24時』『リーガルハイ』『医龍』『最後から二番目の恋』と、続編・リメイクを量産したことで、他局がそれに追随する形となっているというのだ。
「『ショムニ』の大爆死が記憶に新しいですが、実はそれ以外は、良くも悪くもないそこそこの視聴率を獲っています。新作では軒並みヒットが出ない中で、続編モノでなんとかフジのメンツを保っているという感じですね。『半沢直樹』(TBS系)のような新しい爆発的ブームは作れなくても、『低視聴率でニュースになるような不名誉な事態は、とにかく回避すべし』という必死さが、功を奏しているようです。視聴率王だった頃のフジを思うと、なんとも情けない体たらくですが」(放送関係者)
ヒット作を作るのではなく、失敗作を作らないようにする。そんなフジの姿勢に、ネット上でも批判が続出しているようだが、「スポンサーからのCMで成り立つテレビ業界にとっては大切なこと」と語るのは、テレビ局関係者だ。
「他局にも、この“安全牌作戦”を見習おうという流れが出てきたため、7月クールのようなラインナップになったのかも。さすがに、フジのように、1クール内に何本も続編・リメイク作品を持ってくる面の皮の厚さはないようですが」
“続編・リメイク戦国時代”の7月期、視聴率ランキングが楽しみだ。