完璧すぎて非存在説まで浮上! 最新版「芦田愛菜」の仕上がり方
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎追加装備は「色気」
映画の番宣で『バイキング』(フジテレビ系)に登場した芦田愛菜さん。髪をかき上げる艶っぽいしぐさがオプションで追加され、アップグレード。しかし体はすごく小さい。現在9歳、小学4年生とのことだが、「ギリギリ」な印象。何がギリギリなのか。口に出しては言えないが、国民全員で共有している感じが強い。しかしこのコ、バラエティでの立ち回り方や受け答え方がまた更に完璧になってる。「○○知ってる?」「○○したことある?」という質問に、否定で答える時、ただ「知りません」「ありません」ではなく「本屋さんで見たことはありますけど、読んだことはないです」「友達がやってるのは見たことありますけど、私はないです」と、必ず「肯定」のワンクッションを入れるんである。受けた相手が話を膨らませやすいよう、ちゃんと調整。話に下ネタが出てきた時のいなし方、流し方も見事だし。何かどんどん「生ける都市伝説」と化してる気が。芦田愛菜って本当に存在するんだろうか。そんな感覚すら湧いてくる。ケタが違うな。
「優れた子役を見る度に思い出す」と、作家・岩井志麻子先生が言っていた、山岸凉子の名作ホラー漫画『汐の声』。成長を止められた人気子役の怨霊を描いたこの作品を、私も常々実写化してほしいと思っていたのだが。それに適うのは、芦田さんしかいないと思う。
あれを映画化したら、貞子以来しばらく空いていたジャパニーズホラーブームに再び火がつくと思うのだが。早くもハリウッドリメイク決定の予感。金縛りにあって倒れた畳の上に、子どもの首だけ上が浮かんできて「痛いの……体が痛いの……」と目の前で訴えられるあの名シーンが目に浮かんで、もう怖え。この子役の成長後の老婆役には松島トモ子。これも譲れん。どっちもいろんな意味でタイムリミットが迫っている。一刻も早く動き出して。
◎キョンキョンが満たす女の欲望
「恋愛ドラマを作りづらくなっている」(byフジテレビ社長)。お前が言うな。頑張れよ。
しかし実際少なくなってるのは事実で、今期唯一ともいえる恋愛ドラマが『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。数字的には健闘しているようだが、でもあれ、「恋愛」の部分で消費されている感じはあまりしない。それより、小泉今日子がステキな洋服を着て動いているっていう、「動画版・リアルクローズ」の部分で見られている気が。あの「フレンチポップス風スーダラ節」みたいな外国人女性の歌う挿入歌が聞こえてくると「これから小泉今日子が洋服を買う」の合図。試着して会計してカードをパーン叩きつけて紙袋の山を抱えて歩く画ヅラは、女の買い物欲を満たしてくれることこの上ない。あのリアルクローズ感が、「最新ファッション誌が舞台」を謳う沢尻エリカのドラマに1ミリでもあったらねぇ。
小泉今日子がドラマで身に着けているものが、問い合わせも売り上げも多く、特にあのネックレスに注文が相次いで品薄状態らしい。こういう高揚感もまた恋愛ドラマのいちファクターなのだと思う。金脈はまだまだ眠っている。掘れ。
◎異色だった不倫会見
構図としては、「不倫がバレて会見」という、批難必至状態のつちやかおりであるが。あの涙どころか表情一つ変えずに夫の会見を見学している様子を見ていると、「離婚の話し合いすらする契機がない」という、夫婦冷めきりの最終形態を目の当たりにしたような気分。そこまで「不倫なんてけしからん!」って気運も高まらない気がする。女が本当に冷めちゃうと、こういうことになるんだよ、と、何か自分の代わりに世の男性に警告してくれたような気持ちになった女性も多いのではないか。とにかく今は、「二代目麻世&カイヤ」の誕生の瞬間を見守るばかりだ。……要るのか、その椅子。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。