全901席が100席も埋まらず!? アミューズ・韓流ミュージカル劇場閉館の悲惨な裏事情
昨年4月、大手芸能プロ・アミューズが、東京・六本木にオープンした韓国ミュージカルの劇場「アミューズ・ミュージカルシアター」(AMT)が、閉館することとなった。理由については「劇場使用契約満了に伴い、同シアタープロジェクトを一旦の区切りとする運びとなりました」と説明されているが、同劇場に関しては以前から業績不振がささやかれていただけに、たった1年での閉館は、韓流ビジネスの厳しい現実を物語っているようだ。
AMTは当初、K‐POPアイドルの人気に頼ることなく、実力派のミュージカル俳優を中心に展開していくと、オープン当初より表明していた。しかし、K‐POPこそ若い女性ファンを多数擁するビッグコンテンツであるものの、「韓流は、昨年の劇場オープンの時点で、ブーム自体もすでに終焉を迎えていました。業界内では、『成功しないだろう』というのが大方の予想でしたが、やはり奇跡は起こらなかったようですね」(芸能ライター)。
昨年8月には、アミューズの大里洋吉社長が『想像以上に(若者層の)韓流マーケットがない』と発言していたと報じられたこともある。
「ネット上でも『キャパ900人なのに、100人も入っていないかも?』『土曜日なのに客席はほとんど埋まってなかった』といった、同劇場の客入り不振を嘆く声が出ていました。起死回生のため、K‐POPファンも取り込もうと、昨年11月公演の『あなたの初恋を探します』には超新星のユナクが、今年1月公演の『RUN TO YOU』には、ゴニルとグァンスが投入されましたが、やはり『ガラガラだった』という声が書き込まれています」(同)
すでに終わったと思われる韓流ブームだが、なぜアミューズは韓流にここまでのこだわりを見せるのだろうか。
「大里社長は、韓国映画『シュリ』を日本に紹介した“韓流ブームの仕掛け人”ですが、韓流ビジネスには巨額の投資を行っていると言われています。長谷川豊元フジテレビアナウンサーは、自身の講演会で『アミューズは大枚をはたいて韓流ドラマの放映権や韓流ミュージカルの権利を買い漁った』と明かしていました」(週刊誌記者)
そして、「超新星投入」という、初心をかなぐり捨ててのテコ入れも虚しく、ついに短い歴史に幕を閉じることとなったAMT。「12年に明治座で行われた韓流ミュージカル『光化門恋歌』では、東方神起のユンホをブッキングするも、ユンホが出演する回のチケットを買うには、ほかの出演しない回のチケットも併せて購入しなければならないという“抱き合わせ商売”を展開したことが話題になっていました」(同)というが、こういった露骨なビジネスに走ることなく閉館を決めたAMTは、ある意味潔い決断だったのかもしれない。