「うんこ、おけつ」で叱っちゃダメ! トンデモすぎる「VERY」の「メンタル強化術」
「VERY」(光文社)今月号の第1特集は「5月が、オシャレの所信表明!」。この特集は、滝沢眞規子やミランダ・カーなどのキーパーソンをお手本に、華のあるハンサムに近づこうという内容です。特にツッコミどころがない企画だと思いながら読んでいると、乳幼児を抱えるモードマザー読者の対談「明日すぐ取り入れられるリアル流をキャッチせよ」が目につきました。
以前から筆者は、「妻として母として女として」輝く「VERY」妻になるためには、「体力」が一番大事であると考えてきました。そして今回この対談に登場している読者の方も「子連れの移動は常に大変。あえてのヒールが元気をくれます」「2歳児を追いかけて毎日ぺたんこ。電車を見るだけの外出も」などと、体力を誇張した自己紹介をしているのです。
そんな「VERY」妻を見ると、中高生の頃、モテる女子は運動部に多かったことを思い出します。文化部は、同性だけで部屋にこもることも多いし、男子のアクティブさに合わせらる体力も気力もコミュニケーション力もない。おしとやかな女がいいなんてのは幻想であり、「VERY」妻こそ男にモテる女性像なのではないかと思えてきます。
<トピック>
◎5月が、オシャレの所信表明!
◎クローバーナイト
◎メンタルが強い子を育てたい 私たちの理想と現実
■新感覚のイケダン小説
先月号から、「VERY」では小説の連載が始まりました。小説連載は、ママ友の複雑な人間関係をつづって話題となった桐野夏生さんの「ハピネス」以来。今回の小説は、辻村深月さんの「クローバーナイト」という作品で、イケダンがテーマになっています。
今月号では、主人公のイケダンの妻・志保がホームパーティを開催するところから始まります。彼女は、オーガニックコットンの専門ブランドのミセスCEO(さりげなく、雑誌発のキーワードを散りばめているのは流石です)をしているのですが、そのホームパーティで、ある1人のママに不倫疑惑が囁かれて……というのがあらすじです。
この小説も、「VERY」を読者の暗部をさらけ出すような内容で「ハピネス」のように気になるのですが、細部に「VERY」妻らしさがのぞきます。
例えば、志保は自分がオーガニックコットンのブランドをやっているのに、家ではもったいないからと、息子に安い肌着を着させています。ところが、ママ友が来る日だけは、自社ブランドの肌着を着させるのです。ママ友にそれを指摘されると、志保はすかさず「今日だけだよ。普段は五枚千円のノーブランドだよ!」と答えるのですが、イケダンは、「我が妻ながらなんとうまいんだろう、と呆れつつ感心してしまう」と思います。