嵐・櫻井翔の「滑稽ワイルド」なノースリーブ姿の再来に見た、嵐の笑いへの貪欲さ
嵐・二宮和也主演のドラマ『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』(日本テレビ系)。二宮監督率いる超進学校のへっぽこ野球部が、頭脳を生かして強くなっていくストーリーだが、その野球部の面々が、今注目の若手俳優揃いでまた話題になっている。
4月5日放送の『嵐にしやがれ イケメンも美女も春の初体験スペシャル!』(同)に、その野球部から3名がゲストで出演した。「イケメン軍団襲来!」と銘打たれたそのメンツは、「若手No.1ブレイク俳優」福士蒼汰、「注目の若手演技派俳優」山崎賢人、そして「ジャニーズから新たな刺客」として、Hey! Say!JUMP・中島裕翔。二十歳前後と年齢が若く、今をときめく感満載のため、「嵐もさすがにおじさんぽく見えてしまうのでは?」「嵐が食われて世代交代、下剋上されてしまうのでは?」と一抹の心配をしていた。
しかし。フタを開けてみれば、イキのいい若手なんてなんのその、嵐は強かった。今回のテーマは“男を磨く”。ということで、先生役の二宮が、生徒3人と嵐メンバーを引率し、男くささを学んでいくというロケになった。8人が最初に行ったのは、上野・アメ横の革ジャン屋だ。革ジャンは、やはり“ギッチギチ”で“ピッチピチ”で着るほうがカッコいいと、各自、好みの“ギッチギチ”をチョイスしていくのだが、
「(二宮)先生、これどうですか?」(櫻井翔)
「先生! こっちの方がビチってません?」(松本潤)
「これ結構、いいビチリですよね」(二宮)
と、ゲスト3人を差し置いてメンバー同士でわちゃわちゃする嵐。そんな中、相葉ちゃんが選んだ革のパンツに若手潰しの奇跡が起こる。革パン姿でちょっとかかんだ相葉ちゃん、「パチン!」とギッチギチすぎて、ちょっと動くだけで前のボタンが外れてしまうという奇跡到来。かかんではパチン、またかがんではパチン。このくだりを何度も繰り返し、笑いをさらっていく。さらに、
「先生、決まりました!」
と、櫻井。なんと革のベストを選び、腕丸出しだ。数年前に『ひみつの嵐ちゃん』(TBS系)の「マネキンファイブ」コーナーで散々笑った、あの滑稽ワイルドな櫻井が帰ってきた。二宮先生も、
「やっぱりオマエが一番だなあ!」
と、満足気だ。旬の若手から笑いの場を奪っていく嵐、貪欲だ。続いて一行が向かったホルモン焼き店でも、笑いに対する貪欲さと笑いの神に愛されている展開が続く。
ホルモンを焼く炎と煙が立ち上る空間の中、後輩の中島が語ろうとすると、隣にいた松本の焼くホルモンが大炎上、中島の話が中断されてしまう。また、山崎が好みの女性のタイプについて語っている横で、櫻井は煙がしみて目を閉じたままだったり。山崎が特技のギターで斉藤和義の「ずっと好きだった」を披露すれば、続いて二宮が藤井フミヤの「TRUE LOVE」をギター演奏。そこに突然、大野が肉を焼く手を止めて、「♪ふりかえーると」とワンフレーズ無表情で歌い、また焼き網に戻り、かと思えば「♪かーぜーのよおおーに」とまたワンフレーズだけ歌うという“芸”で笑いを持っていく。
しかし、やられっぱなしではいられない。福士が攻め込んできた。
「僕、マジック、手品できます」
手品といえば二宮だが、あえてそこで挑んでくる強気ぶり。披露したカードマジックは、確かにすごいものだったが、二宮の「気持ち悪いレベル」(松本)だというマジックが直後に披露され、打ち砕かれてしまう。「ヘーッヘッヘ」と、まるで江頭2:50のような顔で高笑い、そして、ドヤ顔で一言。
「どうよ? 後輩のネタで食っちゃうパターン!」
まだまだ嵐は強い。若手を寄せつかずといったところだ。メンバー5人がそれぞれ笑いを作り、そして本人たちが一番楽しそう。貪欲さを感じさせないけれど全力だ。後輩たちには手強い相手かもしれない。
(太田サトル)