ロブ・ロウ、ウィル・スミス、エミネム……セレブがかばうたびに燃え上がるジャスティン批判
80年代に一世を風靡した俳優のロブ・ロウ(50)が、アイドル歌手ジャスティン・ビーバー(20)の迷走に同情し、かばう発言をした。しかし世間は「悪行を正当化する理由などない」と冷ややかで、ジャスティンに対するバッシングはますますヒートアップしている。
裕福な家庭で演劇を学びながら育ち、カリフォルニア州のサンタ・モニカ高校ではチャーリー・シーンやショーン・ペンらと同級生だったロブは、19歳の時に出演したフランシス・フォード・コッポラ監督の青春映画『アウトサイダー』(1983)で一躍スターダムを駆け上がり、80年代のハリウッドに欠かせないブラット・パック(ヤング・アダルトスター)の一員となった。行く先々でチヤホヤされ、ロブはハンサムな俳優としてアイドル誌の表紙を飾り、少女たちの「あこがれ王子さま」のような存在となった。
しかし、24歳の時にアメリカ民主党大会にボランティアとして参加した際、未成年の少女と肉体関係を持ち、ビデオ撮影していたことが発覚。少女たちと3Pしているセックスビデオまで流出してしまい、全米から激しくバッシングされ、仕事も干されるハメに。“ロリコンのすけこまし”というレッテルを貼られた彼は、アルコールに溺れるようになり、90年代はリハビリ施設で依存症治療を行うなどの壮絶な低迷期を過ごした。だがその後、35歳で出演した政治ドラマ『ザ・ホワイトハウス』の広報部次長兼大統領特別補佐官役で見事再ブレイク。以来、テレビを中心に活躍し、「ヒーローも悪役もこなせる役者」として人気を集めている。
ロブは昨年、自身の若い頃にそっくりだと言われる、元ディズニー・チャンネルのアイドル俳優ザック・エフロンがコカイン依存症の治療を受けていることに対し、Twitterで「真剣に克服しようとしている」と応援ツイートを掲載。インタビューでも、「若い頃の自分と重なる」「彼が求めるのならば、いつでも自分の経験をシェアしたいと思っている」と発言し、ロブならではの重みのある言葉だと話題になった。
そんな「辛酸を舐めた元アイドル俳優」のロブが、今度は「完全に道を踏み外した史上最低のアイドル」と叩かれているジャスティン・ビーバーをかばった。米ゴシップ芸能サイト「HollywoodGossip」によると、米テレビ界の女帝オプラ・ウィンフリーとのインタビューで、元アイドルとしてジャスティン・ビーバーの悪行についてどう思うかと聞かれたロブは、「彼には、ものすごく感情移入してしまうんだよ」と発言。「彼は本当によい音楽を作っている。でもファンの80%は彼の音楽には興味なんてない、どうでもいいと思ってるんだよ。そのことは彼自身も知ってる。だから、やけくそになっちまうんだよ」と述べ、彼が荒れる気持ちはよくわかると同情した。
ザックの時には株を上げたロブだが、今回のジャスティンをかばうコメントには反対意見が殺到。ネット上では、「ジャスティンのワガママで、大勢の人が迷惑をこうむっている。平気で違法行為をするし、反省することなく生意気な態度を取り、世間を不愉快な思いにさせる」「誰もヤツの音楽に興味を持っていない、ということは当たっているが、悪行が許される免罪符にはならない」という意見が多く、炎上騒ぎにまで発展している。
実は、これまでにもジャスティンに同情を寄せ、助けたいと応援しているセレブについて「美談」のように報じられることは多かった。ウィル・スミスはずっと彼をかばう発言をしてジャスティンから絶大なる信頼を寄せられているし、オプラ・ウィンフリー、アダム・レヴィーン、マーク・ウォールバーグは電話でジャスティンの悩みを聞いたと伝えられ、エミネムも彼を助けたいと思っているようだとゴシップされた。リタ・ウィルソンは夫のトム・ハンクスに「ジャスティンを助けてあげましょう」と提案したと報じられ、エルトン・ジョンも「本当にかわいそう」と同情。世間はジャスティンに甘い顔をするセレブたちにうんざりしているのである。
世界中の純粋な少女の心をもてあそんだ金でマリファナを吸い、女をはべらせてパーティーをし、逮捕されても生意気な態度を取るジャスティンを世間は激しく嫌っている。アメリカでは国外追放を求める国民の嘆願書がホワイトハウスに提出され、祖国カナダの音楽祭では大ブーイングされるなど、今やジャスティンはアメリカ・カナダ両国の嫌われ者。そんな彼をかばうセレブが、「甘い」「セレブだからって何をしてもいいわけじゃない」と叩かれてしまうのは仕方ないことなのかもしれない。とはいえ、ジャスティンへの高まり続けるバッシングが、ますます彼を追い詰めることにならなければいいのだが……。