コラム
【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

モラハラ夫からの逃走、不倫、再婚へ! 「VERY」妻が語る、セックスなしの修羅場愛

2014/04/20 17:00
(C)いしいのりえ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 婚外恋愛に走る女性は、それが「恋愛」だと言うのならば、永遠の二番手であっていいのだろうか? 婚外恋愛に邁進する、家庭を持つ女性、あるいは独身の女性――その境遇はさまざまだろうが、心の底から「セカンドでいい」と妥協する女性はごくわずかなのではと、私は感じる。どんな形であれ、一度愛した男であれば、誰の目をはばかることもなく、「私のもの」だと宣言したいはずだ。

 そんな疑問を、今回お話を聞いた由実さんにぶつけてみた。色白でふっくらとした頬でにこっと笑い、由実さんは「確かに、セカンドでいいなんて思わないですよね」と呟くように頷いた。そう、彼女は家庭ある身で、同じく既婚者の男性と恋に落ち、実際に結婚に至った女性なのだ。

 東京の郊外に産まれ育った由実さん。真っ白な細身のパンツに、くるんと巻いた髪をゆるくポニーテールにしている。彼女のファッションは主婦層向けのファッション誌「VERY」(光文社)から抜き出たように、綺麗で洗練されていた。

 由実さんは現在37歳、都内のIT企業の庶務課でフルタイム勤務しているという。ネイルやアクセサリーも抜かりのないそのルックスは、絵に描いたような「きれいな奥さん」だ。

「でも、前の主人と結婚していた時は、こんな風におしゃれをする気力もありませんでした」

■結婚後にわかったモラハラ夫の素顔

 前の結婚は、よほどつらかったのだろう。「前の主人」という単語を口にすると、由実さんは途端に表情を曇らせ、視線を落とした。由実さんが最初の結婚をしたのは27歳の時。お相手は同い年の、当時勤めていた会社の同僚だった。

「まわりがバタバタと結婚していくから、焦っていたのは事実です」

 23歳から働き始め、2年後に入社してきた前夫。歳も同じで話が合い、忘年会や新年会では、気がつくと隣に座り、気さくに話をする関係になった。同僚として2年、恋人として2年の交際期間を経て、2人は結婚した。

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