カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「GOLD」4月号

長谷川潤が出てきても中年モデルは起用しない「GOLD」、迷走する40代の女性像

2014/04/15 20:30
「」

 4月号も雑誌「GOLD」(世界文化社)の二大女王、今井美紀と中村江里子は顕在です。今井美紀は前半でカジュアルを提唱し、後半で中村江里子がゴージャスセレブを語る流れは定番になってきたようです。今回の「GOLD」は、ファッション企画でピンクやミニスカートやインヒールスニーカーを取り上げています。現在40~50代の女性にミニ&ピンクとは、なんだかとても危険なニオイがしてきます!

<トピック>
◎脚がキレイに見えるスカートとワンピースで女らしさ開花!!
◎街で旅で、カッコよく歩く 脚長スニーカーぶる~す
◎Back to age’80 あの頃「TVドラマ」が輝いていた

■20代モデルじゃなくて井脇ノブ姐を!

 一体どんな編集方針で進めているのか? と毎回不思議になる本誌。のっけから、『大人の「美脚スカート」道』のコーナーに書かれた一文、「最旬の美脚のコツを開帳します!」のフレーズに驚愕しました。“開帳”と来ましたか……なんとも昭和感と重みが感じられます。企画内では、「膝出し」「翻弄ミニ」など50代には難度が高いファッションがずらり並びます。大特集の「今だから似合う、媚びない大人のピンク」も、特集名からしてすでに難度の高さがうかがえます。ショッキングピンクを50代が着るとなると、“痛く”見えないために相当な数の注意点が挙がりそうですが、どこにも具体的な留意点が書かれていないのが危険。この世代がピンクを着るんであれば、林家パー子や井脇ノブ子先生のようにキャラで着こなすくらいしかイメージが沸かないんですけど……。そして、「GOLD」の一番の謎は、誌面のモデルが全員若いこと! 美脚スカートを着ているモデルも、ピンクを着ているモデルも、全員若いから似合うんですよ~~。モデルで出ている長谷川潤はまだ27歳、自分の子ども、いや自分の孫にしか見えないモデルに読者があこがれると思っているのでしょうか。もうどうしたって「若さ」は手に入らないんだから、20~30代の娘をモデルに起用するのはやめて、40代以上のモデルで提案したらどうしょう。例えば、ノブ姐を「GOLD」風のピンクファッションで変身させる、ってのなら説得力がありますよね!

■トレンディドラマを見てたのはトレンディじゃない人?

 そして、毎回目が離せない連載「Back to age80!」。「GOLD」世代がブイブイいわせていた時代を振り返る連載、今回は「TVドラマ」と書いて「トレンディドラマ」と読ませる力の入れ具合を見せてきました。バブルの申し子、石田純一と柴門ふみの登場です。

 純一は相変わらずのディレクター巻きに靴は素足で着用。80年から揺るぎないファッションなのは流石です。バブル時代の映画『愛と平成の色男』で、意味なくヘリコプターから降りてきた純一、存在自体がすでにバブルの記号! 『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』(ともにフジテレビ系)などの脚本家・柴門ふみは、派手な柄のワンピースに個性的なネックウエアを着用。図らずも、50代のファッションの難しさを感じる出で立ちです。ここで展開される純一と柴門のトークに注目したいところですが、筆者はその次のくだりが気になりました。

 バブル時代のトレンディドラマについて、桜沢エリカが「イベントコンパニオンは、毎日がボディコンワンピ」と話していますが、これは間違ってますよ~。その当時は、街の女の子“全員”がボディコンワンピだったはず! この間違いは「GOLD」世代はすぐわかるんじゃないでしょうか。当時、サブカルチャーの畑にいた桜沢は、深夜番組『冗談画報』(フジテレビ系)に出た時に、おさげ頭にオシャレとはいえない格好でした。同じ時代を生きたとはいえ、「GOLD」読者とは見てきた世界が違うのでは……。それとも、桜沢の世界からは、ボディコンワンピを着てる人種は全員コンパニオンに見えていたのでしょうか。一般人も着てたよ!

 その後は、山田美保子によるトレンディドラマ名台詞集。筆者は40代ですが、バブル時代は「テレビ見てる時点でダサい」という風潮だったので、当時は毎日夜遊びに忙しく、どのドラマも見ていませんでした。ゴージャスライフを送るわがままな女性の「GOLD」読者なら、アッシーメッシーに本命にと毎日遊び歩き、ドラマを見る時間もなかったのでは……? せっかくおもしろいテーマなのに、なんだか人選や切り口がちょっとズレてる気がして残念でした。

 そして最後に、桜沢エリカ先生のファッションコラムについて。これまでは20代をモデルにしてるとしか見えないイラスト&コーディネートの紹介が続いていましたが、今月はやっと中年化! 30代程度に見える女性が描かれています。しかし、どうやら若い女性しか描き慣れていないと見えて、「顔のデッサン狂ってますよ!」とツッコミたくなる出来栄え。若い子と違って、中年からは顔の肉や体の肉がたるんでいきますから、その辺のボディラインの描き分けに今後は期待したいですね。
(中島ホタテ)

最終更新:2014/04/15 20:30
アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 幼馴染は一卵性の獣~スパダリ双子とトロトロ3人生活~
  2. 今宵あなたとひたむき淫ら
  3. 水着をズラした彼のアソコは超XL~更衣室で肉食獣みたいに攻められ乱れて入ります!?~
  4. ニセモノの恋なので溺愛はいりません
  5. アソコのサイズが見えるようになったのですが!?~通常サイズがほとんどなのに会社の隣の彼がXL!?~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト