カルチャー
甘美な恋愛の邪魔をする「生活」と「安定」考
2014/03/19 20:00
積年に渡る素朴な疑問として、今となってはほとんど怪奇現象として、まったく意味が分からないという理由につきミステリー案件扱いしているものが、「恋人と生活したい女の気持ち」である。
私は生活スタイルにいささかこだわりがあるため、恋人どころか、誰とも一緒に暮らしたくはない。部屋が十個も二十個もある豪邸に住んでいるなら話は別だが、しがないライターが東京で借りられる部屋の敷地面積などたかが知れている。その狭い空間の中でずっと他者と、その所持品に囲まれて生活することを想像するとかなりの圧迫感を覚える。
もともと、自分の好きな色や形や主張のある「もの」が自分らしく整然と並んでいる生活空間へのこだわりが強く、若干、掃除魔のきらいもある。今はわけあって都内のマンスリーマンションに住んでいるのだが、家具も、カーテンも、備え付けの調度品の数々が好みではない、とは言えそう邪魔しては来ない、というか気持ちが一寸も動かない「無個性な物体」だらけなので重宝している。
最終更新:2014/03/19 20:00