遠野なぎこ母の「焼身自殺未遂」が暗示する、縁切りさえ困難な母からの呪縛
遠野は1年前の「自身」の取材で母親のことを「悲劇のヒロインになることが大好きな人ですから」と答えている。母親は今回も娘の気を引き、ヒロイズムに浸り、そして自分の元に娘を戻し、再び呪縛するめに、こんな行為を行ったのか。歪んだ母と娘の関係は、これほど壮絶で、娘の人生さえ支配し、縛り付けるなのか。遠野の母娘関係から“毒母”問題に悩む女性が少しでも解決策を見出さればと今までは思っていた。でも今回のことで、そんな簡単じゃないということだけは、よくわかった。家族の問題は、縁を切ることさえ困難な、一生つきまとう切実な問題だ。なんともやり切れない。
「フライデー」(講談社)が報じた、元体操の田中理恵と巨人・坂本勇人の熱愛。今週の女性週刊誌は、中森明菜、宇津井健、田中理恵、小久方晴子、木嶋佳苗、原発といつになくネタかぶりが多いので、この記事で比較してみたい。
「週女」の切り口ははっきりいってごくフツー。2人の人物紹介をして、田中のお父さんを直撃。本人からまだ報告がないことや、以前の取材でお父さんが「娘のタイプは唐沢寿明と竹野内豊」と話したこと、結婚は「まだ」という友人の匿名コメントを根拠に記しているだけだ。
一方「自身」の切り口はなかなか奥が深い。今後、2人がもし結婚となれば、というものだが、そこには“時代遅れな男のエゴ”と“活躍する女性の生き方”という何とも女性週刊誌らしい視点が入っているからだ。なんでも、坂本の妻への条件は「24時間、自分を支えてくれる人」。のっけからおいおいである。結婚したら俺のためにだけ生きろってわけだ。先が思いやられる。束縛ばかりして、何度もメールや電話をして、すぐに返信しないと怒り出すタイプね。妻が外出するのも許可が必要になるだろう、きっと。支配し、束縛する。その先にはDVがあるかもしれない。
そして女性側の田中理恵はというと、日本体育大学の助教として厚遇され、東京五輪の組織委員会理事にも内定しているらしい。また、スポーツキャスターなどテレビ進出も視野に入れ、有名アナが所属する事務所にも入る予定とか。素晴らしい。これまでのキャリアを生かし、今後も活躍が期待できる女性である。
だが悲しいかな、そのお相手は「専業主婦」願望の強い、オレ様男。なんだか勝手に頭にきてしまった。理恵ちゃんを自分だけの専業主婦にさせるなんて、日本の宝をドブに捨てるようなもの。マー君夫妻が理想だなんて、比較するのもなんともおこがましい男でもある。「24時間支えてくれる」なんて甘いことを言うな。もし田中と結婚したいなら24時間働け! いや、一刻も早く別れろ! そう叫びたくなる。こんなことまで妄想させ、考えさせてくれた「自身」の記事。さすが老舗の女性週刊誌。その “女性目線”は素敵だ(笑)。
2つ目のネタかぶりは中森明菜。2誌ともファンクラブの会報を元に明菜の“復活”に言及したものだが、「自身」は「4月に新曲リリース」説。「週女」は「春は無理で秋リリース」説を取っている。どちらが当るか? いやそんなことはどうでもいい。問題はここ最近、乱発される明菜近況&復活記事の多さだ。しかも今回の「週女」はこれがトップ特集で3頁! 明菜ネタは意外と引っ張れる。しかも、最盛期の明菜を知る人間はもう40代以上だと思うけど、そんなに話題性や反響があるものなのか。読者の興味があるものなのか。これらマスコミの明菜の扱いに、やっぱり明菜はすごいとあらためて思う同い歳であった。